「ビンデミック」とは? 韓国の宿泊施設などで被害報告…対策する日本人も
日テレNEWS NNN
新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が落ち着く中、世界的に“ある被害”が拡大しているといいます。被害が確認されている韓国では“ビンデミック”と呼ばれているといいますが、いったい何が起きているのでしょうか? ◇ 羽田空港では7日、平日にもかかわらず、近場の旅行先として人気の韓国行きの便に多くの人の姿がありました。 50代 「コロナで海外に行けなかった。超楽しみ」 一方で、不安の声も聞かれました。 30代 「トコジラミがちょっと心配」 今、世界的に被害が拡大している害虫「トコジラミ」。人や動物の血を吸う虫で、刺されると強いかゆみを引き起こすこともあります。 被害が確認されている国の1つが韓国なのです。韓国政府によると、宿泊施設や大学寮などでトコジラミの発生が報告され、消毒や駆除を呼びかける事態になっています。 ソウル市内では… 「ビンデ(トコジラミ)が出ると聞いて…家の中に入ってくるんじゃないかと不安」 「とても腫れて痛いという口コミもたくさん見たので、少し心配」 現地メディアは韓国語で「トコジラミ」を意味する“ビンデ”とパンデミックを合わせて“ビンデミック”という造語も使用して報道しています。 日本人観光客に人気のソウルのホテルでは、被害は確認されていませんが、定期的な消毒を行っているといいます。さらに… 相鉄インターナショナルコリア 柴田直伸総支配人 「ビンデトラップを客室に仕掛けて、結果を毎日、観察しています」 隠れていることが多い隙間に、わなを仕掛け対策。また、トコジラミがいないことを証明するステッカーを掲示し、安心して宿泊できるようにしていました。 消毒作業などの効果もあり、現在はトコジラミの発生は減少傾向に転じているといいます。 ◇ その韓国にこれから向かう日本人の旅行者は、どのような対策をしているのでしょうか。 母(60代) 「これで足りるかわからんけど、(トコジラミ用の)虫よけ」 母(50代) 「(部屋を)暗くしない方がいいってインスタとかで見たので、電気をつけたままにするためアイマスク(持って行く)とか」 暗くなると活動的になる傾向があるため、電気をつけたまま寝るという旅行者もいました。 日本にいながら韓国文化を味わえる街、新大久保では… 40代 「コロナも落ち着いてきたから、本当は(韓国に)ちょっと行きたい。泊まりに行くのは怖いなと。なので、今日はここにきました、気持ちだけ」 さらに、先週購入した商品が韓国から届いた女性は… 10代 「(トコジラミが)もし出てきたら怖いなと。怖くてベランダで開けたり、3日間くらい外で干しました」 通販で購入した荷物にトコジラミがついている可能性を心配していました。 専門家に聞いてみると… 兵庫医科大学・皮膚科学 夏秋優教授 「私の個人の考えとしては、通販なり荷物にくっついて国外に運ばれてくる確率は非常に低いと思っています。新品の商品をきれいな段ボールにくるんでいるとすれば、そこにトコジラミが混入するリスクは非常に低いと思う」 実は、多くはないもののトコジラミは日本にも生息しています。新型コロナが落ち着き、人の流れが活発になったことなどから世界では被害が拡大。日本国内で拡大させないためには、不特定多数の人が利用する宿泊施設での注意が必要だといいます。 寝ている間などに人の血を吸う虫のため、ベッド周辺の隙間に隠れていることが多いというトコジラミ。そのため、夏秋教授によると、バッグや衣類などはベッドのそばには置かないこと、さらに、大きなポリ袋などに包み、部屋の入り口や浴室など離れたところに保管することが重要だといいます。荷物についてしまうと自宅に持ち帰ることになってしまうのです。 旅行などが増える年末年始。注意が必要です。