海原雄山もビックリ?「野菜ナシの1人すき焼き」いきなりステーキ運営会社の新業態が非常識すぎて目が離せない!
● ローソンストア100の「だけ弁当」は コンセプトがブレブレに…… 「ごはんとウィンナーだけの弁当があったら絶対に売れる」 そう考えたローソンストア100の社員の方が、10年間、商品部にかけあって実現させたヒット商品です。評論家の世界でも、新商品の成功例として取り上げることが多いケースです。 そうなのですが、実は私はこのウィンナーの「だけ弁当」を発売直後に買って、がっかりしてすぐに離脱しました。理由は「だけ」じゃなかったからです。ウィンナーに不必要なケチャップがのっていたのです。 この「だけ弁当」の開発秘話の話を伺うと、提案者の熱意が通って商品化が決まった際に、提案した社員は「ごはんに炒めたウィンナーを添えるだけ」と主張したそうです。それに対して、商品開発の側で「見映えを考えてケチャップの色を加えるべき」と主張し、その意見が通ったといいます。 その後、「だけ弁当」は「ミートボールだけ」とか「ちくわの磯部揚げだけ」とか11弾ぐらい続くのですが、肉好きからみればコンセプトがどんどんブレてしまいながら現在に至るというのが率直な感想です。 まあ私の場合は出張でホテルに宿泊するたびに、ごはんとウィンナーだけの朝食を楽しんでいますので、別に困りはしないのですが。
● 「野菜がないすき焼き」の発想が 秀逸すぎる理由 さて、そのような危惧をお話ししたうえで、いきなりステーキの「ひとりすき焼き」のコンセプトについてお話しします。 テレビのニュースで報道された情報をベースにお話ししますと一瀬健作社長が考えていることは、大きく6点です。 (1)客席はコの字型のカウンター形式 (2)カウンターの中心に調理スタッフがいて客の目の前ですき焼きを焼いてくれる (3)それを炊き立てのご飯と一緒に食べる (4)すき焼きは肉だけで野菜は提供しない (5)牛肉は和牛を中心にブランド牛も提供 (6)客単価はいきなりステーキの2000円よりも高い2500~3000円を想定 いくつかツッコミどころがありますが、最大のポイントは「野菜がないすき焼き」です。 これは常識的な方から見るとおかしなメニューであり、肉好きから見ればたまらないメニューです。「そんなの見たことない」という意見がある一方で、「これが食べたかった」という肉好きの顧客はたくさんいるはずです。 この方式にする利点は、このやり方が一番、牛肉をすき焼きでおいしく食べさせるやり方だからです。 漫画『美味しんぼ』で、かつて海原雄山がすき焼きは牛肉を不味く食べさせる料理だと喝破したことがあります。牛肉の美味しい風味が失せてしまうからです。