趣里演じる弁護士の決定的な新しさとは? 初回の意外なMVPは? ドラマ『モンスター』第1話評価&考察
趣里主演ドラマ『モンスター』(カンテレ・フジテレビ系)が放送開始した。本作は、得体のしれないモンスター弁護士・神波亮子が、まるでゲームのように法廷闘争に立ち向かうリーガル・エンターテインメント。今回は、第1話のレビューをお届けする。(文・ふくだりょうこ)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】 【写真】趣里&ジェシーコンビに萌え…貴重な未公開写真はこちら。主演ドラマ『モンスター』カット一覧
「本当のモンスターは誰なのか?」と問いかけるリーガルドラマ
リーガルものは数多くあるが、新たな人気弁護士が登場しそうな予感だ。 大草圭子(YOU)が所長の「大草圭子法律事務所」に突如現れた神波亮子(趣里)。ラフな格好で、「弁護士をやってみることにした」と言う亮子に、若手弁護士の杉浦義弘(ジェシー)は戸惑うばかり。そんな中、亮子が取り組むことになった事件は自殺教唆の罪で起訴された塩屋遼(萩原莉久)の弁護だ。 塩屋は恋人である川野紗江(藤吉夏鈴)に自殺未遂の過去があると知りながら、「死ね」とメッセージを送り、彼女を追い詰めるような行動があった。そもそも、紗江はカウンセリングを受けるほど、精神を病んでいた。塩屋のメッセージが、彼女の死のきっかけを作ったのでは…というわけだ。 前例が少ない自殺教唆で勝利を勝ち取るのは難しいと言う杉浦をよそに、亮子はグイグイと事件解決に向けて動き始める。 今回の争点は、紗江が自殺をする引き金を誰が引いたか、というところだろう。しかし、人が死に向かって背中を押されるとき、というのはひとつの要素ではないように思う。少しずつ、紗江に絡みつく闇が解き明かされていく。 紗江を苦しめていたのは上司のセクハラとモラハラ、過重労働だ。疲れると人は冷静な判断ができなくなるし、ハラスメントを受け続ければ、ますます視野は狭くなっていく。どんなに「ポジティブでいよう」と思ったとしても、その意識を越える言葉を投げつけられてしまえば耐えられない。悪意に溺れ死んでしまう。 紗江はハラスメントと過重労働に追い詰められていた、というのが大きな要因だった。