米副大統領候補、移民・中絶・気候変動巡り応酬-テレビ討論会
(ブルームバーグ): 11月の米大統領選挙に向けて1日に開催された民主・共和両党の副大統領候補によるCBSニュース主催のテレビ討論会では、移民や女性の人工妊娠中絶、気候変動などを巡り激しい論戦が展開された。共和党のバンス上院議員は強硬派としての評判を和らげることにほぼ成功した一方、民主党のウォルズ・ミネソタ州知事は神経質な様子が示された。
今回の討論会は投票日前の最後の大きな舞台となる可能性が高く、両陣営はそれぞれの政策や人物像をアピールする最後の機会となった。討論会では両氏が互いに容赦ない批判を繰り広げながらも、人柄の良さと政策への注力を維持しようと努めた。
バンス氏は自信に満ちあふれ、技術的に熟練した論客としての姿勢を示し、自身や大統領候補であるトランプ前大統領の実績や過去の発言に関する厳しい質問をかわしながら、政策に関しても抵抗なく話す様子がうかがえた。
一方、ウォルズ氏の応じ方はとりとめがなく途切れがちだった上、時折失言も見られた。
それでも、どちらの候補者も決定的な打撃を与えることはできなかった。9月10日の大統領候補による討論会では、ハリス氏がトランプ氏を挑発し、ハリス氏の意向に沿った発言を引き出すことに成功したが、今回の討論会ではバンス、ウォルズ両氏が米国に対して全く異なるビジョンを提示したにもかかわらず、はるかに敬意を払った意見交換の場となった。
オバマ元大統領の上級顧問を務めたデービッド・アクセルロッド氏はCNNで、大統領選における今回の討論会の影響について「有権者に尋ねれば、われわれが描いているよりも引き分けに近い結果だったと言うだろう」と述べた。
中絶問題
ウォルズ氏は時折、明らかに緊張している様子を見せ、特に中東問題に関しては言葉に詰まる場面があったが、中絶問題に関しては冗舌だった。
ウォルズ氏は、中絶の権利を認めた判断を覆す連邦最高裁判事をトランプ氏が任命し、生殖権を脅かしたと主張。「この全てを実行に移したのはトランプ氏だ。トランプ氏は判事を任命してロー対ウェイド判決を覆したことがいかに素晴らしいかを自慢していた」と批判した。