収穫が多かったシリーズを終えた森且行 次回に期待を抱かせた
勝利することはできなかった。車券の対象にもなれなかった。しかし、レース内容は格段に増した。今後の展望が大きく開ける好ファイトだった。オートレーサーの森且行(50)=25期・川口=は14日、山口県山陽オートレース場で開催中のG1「開場59周年記念・第5回令和グランドチャンピオンカップ」最終日・第11R「特別選抜戦」に出走。8車立ての4枠からスタートダッシュは不発に終わり、最初の1コーナーは最下位の8番手に遅れたが、そこから迫力満点のアウトまくりをかまし続けて、パスすることが容易ではない松尾啓史、丹村飛竜といった腕達者たちを次々と外から逆転して、勢い十分の足色で4着ゴールを果たした。大会を通して、連日のこん身整備が実を結び、愛車Mニジュウサン号は健やかな動きを取り戻してきた。 シリーズ最後の5走目を完走した森は、上昇の兆しを示すマシンにやや高揚モードだった。「3、4コーナーが曲がりやすくなってくれたから、そこでまくれるんだ。やった~、松尾君をまくったあ~(超うれしそうに)。状態は良くなっています。今回が一番乗れたね。腰回りもカンペキだよ!もう大丈夫!これでエンジンに集中できるよ!(頼もしく断言)」 今大会は5走を消化して3、6、5、3、4着。渇望する白星を手にすることは叶わなかったが、噴き切らないエンジン状態を劇的に改善することに成功して、収穫多きシリーズとなった。ネクストバトルのSGオールスターオートレース(24~29日、飯塚)での活躍を大いに期待させる動きをしかと披露した。「うん、ある程度は脱出できたね!あとはもっと試走タイムを出したいな。スタートも切れているんだからね。とにかくオールスターも頑張るよ。まだまだ仕事量が足りていないね(どんだけ~)」 取材を終えた後、帰り支度をする森に「今節もたくさん、たくさん働いて、心からおつかれさまでした。すごくいいものを見せてもらえました」と礼を伝えてみた。すると「はい、こちらこそ!オールスターもよろしくで~す!」とロングなまつげをなびかせて、キラッキラの視線で返してきた。50歳の格好いいおじさんのキラースマイル目の当たりにして、55歳の記者は妙に胸がキュンとしてしまいました。
報知新聞社