『キャプテン翼』・高橋陽一「良いシュートが描けるとゴールさせたい」。ネーム連載の最新シリーズで22歳の大空翼が「W杯優勝」を掴むまでの構想とは【インタビュー】
1981年に連載を開始したサッカー漫画『キャプテン翼』(高橋陽一/集英社)。2024年4月に大空翼率いるU-23日本代表がマドリッド五輪に挑む『キャプテン翼 ライジングサン』が最終回を迎えた。物語はマドリッド五輪準決勝、日本対スペインの後半途中で幕を閉じた。
そして今年7月、WEBサイト「キャプテン翼WORLD」にて前代未聞の“ネーム連載” という形で『ライジングサン』の続編『キャプテン翼 ライジングサンFINALS』がスタート。 本記事では作者・高橋陽一さんにインタビューを実施。ネーム連載に至った経緯と、これから描かれる物語の構想を伺った。 第1シリーズの連載開始から43年、最新話時点での大空翼の年齢は22歳だ。選手としてまだまだ成長期真っただ中の翼は、これからどんな戦いを繰り広げて「日本のW杯優勝」という夢に近づいていくのだろうか。
良いシュートが描けるとゴールさせたくなる
――2018年のインタビューでは「ドイツ戦、準決勝と決勝の3試合は最後まで描くと決めて取り組んでいる」と仰っていましたが、結果として準決勝の後半途中でネーム連載に切り替わることになりました。 高橋:準決勝までが想定よりも長くなってしまって。今の自分の年齢を考えたとき、もしかしたら最後まで描けないかもしれないと思ったんです。 ――なぜ想定以上に長くなったのでしょうか? 高橋:(日本対ドイツ戦前の)ブラジル対ドイツ戦は翼たちが出ない試合なので、本当はもう少し短くまとめるつもりだったんです。でも各国のライバルたちが本当に魅力的で、描いていて楽しくなってしまって(笑)。予定外のシーンをどんどん追加していたら、終わらなくなってしまいました。 ――過去のインタビューでも「描いていくなかで試合結果が最初の構想と変わることもある」とおっしゃっていました。『ライジングサン』のなかで、構想から変わった試合はありますか? 高橋:結果は変わっていないですね。ただ、同じ引き分けでも、3-3にしようと思ってたのが4-4、5-5になったことはありました。 ――どういった流れで構想以上に得点が入るのか気になります。 高橋:『ドカベン』の水島新司先生が言ってたんですけど、本当はホームランにする予定はなかったんだけど、山田太郎のすごく良いスイングが描けたので「これは絶対ホームランだろう」って、変えちゃうという(笑)。