能登半島地震復興のために…大集結した「令和のデコトラ300台」が見せたド派手な熱いこだわり
「主催者から『どうしても来てほしい』と。私のデコトラはありがたいことにファンの間では人気があって、『子どもたちが実物を見たいと言ってます』と聞いたら断れませんよ」 【子供にも人気!】すごい…!令和のド派手「デコトラ」がズラリ…! 奈良県在住の田仲藤男さん(63)は「えべっさん」が描かれた愛機(5枚目写真)をカーフェリーに乗せ、はるばる800㎞の行程を13時間かけてやってきたという。 デコトラ――カラフルな塗装や電飾を装備したデコレーショントラックが4月14日、宮崎県高原(たかはる)町の総合運動公園に大集結した。その数、実に300台――。目的は能登半島地震の復興支援だ。デコトラのオーナーから集める参加費2000円が寄付金になるシステムで観客は無料。さらに参加者は燃料代、高速代、宿泊代すべて自腹。主催者の当初の見通しは200台だったが、全国から予想を大幅に上回る台数が参加した。 子どもたちが大好きなアニメキャラが描かれたデコトラ(3枚目写真)で参加した58歳の男性は「能登半島地震の復興支援が目的なので、何とか都合をつけました」と語った。その熱い思いはどのデコトラにも詰まっていた。 江戸時代の鮮やかな浮世絵が描かれたデコトラ(1枚目写真)のオーナー、福丸一博さん(69)は″出会い″をこう明かす。 「昭和63年に前オーナーから買い受けました。金額は秘密で言えませんが、支払い終えるまで10年かかりました。有名な画伯が描いた作品で絵に勢いを感じて、値段も聞かずに買うことにしました」 絵が描かれたのは昭和60年。昭和のアンティークデコトラなのである。約35年、福丸さんの半生を共にしたデコトラは今も車も絵もピカピカだ。 「このトラックで荷物は運びません。普段は毛布を掛けて、倉庫で保管しています」 「元祖」ともいえる電飾ギラギラでド派手なオールドタイプも健在で、子どもたちに人気があるという。主催者の「Dream Hope」永原伸也代表理事(44)が明かす。 「子どもたちが影響を受けて、″デコチャリ″を自作するほどです。車のバッテリーを自転車に積んだプロ仕様のマシンもありました。″過積載″のデコチャリを一生懸命漕いで会場まで来てくれた子どもを見て、目頭が熱くなりました」 オーナーたちの熱いこだわりが込められたデコトラに接した子どもたちが、チャリティの輪を次世代につなげてくれるに違いない。 『FRIDAY』2024年5月3日号より
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