貫いた「流れを止めない」投球 開幕投手務めた仙台大の4年生右腕・篠塚太稀がリーグ戦初先発で5回無失点快投
<仙台六大学野球秋季リーグ戦:仙台大12-0宮城教育大(6回コールド)>◇31日◇第1節◇東北福祉大野球場 【動画】全面人工芝のグラウンドに室内練習場も!150キロ超えの逸材もいる仙台大学の練習に密着 2季連続優勝を狙う仙台大は開幕戦で宮城教育大相手に快勝し、白星スタートを切った。主将の小田倉 啓介内野手(4年=霞ヶ浦)が3点本塁打を含む2安打5打点と躍動するなど、打線が奮起。投げてはリーグ戦初先発の篠塚 太稀投手(4年=千葉黎明)が5回1安打無失点と好投しチームを勝利に導いた。 開幕投手を任されたのは、150キロ台の速球を武器に持つ渡邉 一生投手(3年=日本航空/BBCスカイホークス)や佐藤 幻瑛投手(2年=柏木農)ではなく、4年生右腕の篠塚だった。 4年春までは中継ぎが主戦場。練習試合でも先発のマウンドに上がったのは「1、2回」だというが、今夏は部内リーグ、オープン戦と先発としての調整を続けてきた。 この日は3回までパーフェクト投球。4回に二死二、三塁のピンチを背負ったがしのぎ、5回は再び三者凡退に抑えた。「先発をやるからには開幕投手になって、チームの勝利に貢献したい」との思いを体現する快投だった。 制球力と安定感はピカイチ。大学入学後に伸び悩んだ球速は、試合での最速が146キロまで伸び、カウント球としても決め球としても使えるカットボールも精度が高い。森本 吉謙監督は、「ストライク率が高く、崩れない。開幕戦だろうと関係なく安心して投げてくれる」と厚い信頼を置く。 大学で意識して貫いてきたのは「流れを止めないピッチングスタイル」だ。篠塚は「球速があれば押せるけど、それはコントロールありき。いつでもカウントを取れる球種を多くして、その中で思い切り投げるところは投げる」と投球の狙いを明かす。 今年6月には全日本大学野球選手権で“全国デビュー”を果たし、大舞台でも自身のスタイルを貫いて1回無失点と上々の投球を披露した。「アドレナリンが出て気持ちがたかぶりながらも冷静に投げられた。全日本で『いつも通り』の意識を持って投げられたことが開幕戦の投球につながったと思います」と自己分析するように、全日本での登板がレベルアップのきっかけになった。 「4年生なので、任されたところで結果を残す。秋も全国に出られるよう、チャレンジャーの気持ちで戦います」。大学ラストシーズンもフル回転で投手陣を支えるつもりだ。