7年ぶりの挑戦 第2部 明豊/上 強力打線見せつける /大分
「1・2番のどちらかが出て、クリーンアップできっちり返せる」。表悠斗主将(2年)は自信を持ってこう話す。 明豊の魅力はその打力だ。一昨年の夏の甲子園で2本塁打を放ち、ベスト8に貢献した浜田太貴選手(3年)=東京ヤクルトスワローズからドラフト4位指名=のような「スター的な存在」はいないが、打線には高打率打者や長打力のある打者がバランス良く並ぶ。昨秋の九州地区大会では、全試合で5得点以上を挙げており、攻撃力は全国レベルだ。 目をひくのは、1~3番までの「1年生トリオ」。1番の野上真叶、2番の宮川雄基、3番の布施心海の各選手とも新チームになってからの公式戦で打率が4割を超え、出塁率が高い。特に監督が「キープレイヤー」に挙げる宮川選手は、状況に合わせて役割が変わる2番にふさわしく、ヒッティングやバントなど幅広くこなし、打線にリズムを作り出しているという。 4番を任されている野辺優汰選手(2年)はチーム最多の15打点と勝負強さを誇り、「浜田さんを越える本塁打を」と闘志を見せる。打率は2割台ながらもパンチ力のある5番の藪田源選手(同)は、九州地区大会準決勝の日章学園戦で満塁本塁打を放つ活躍を見せた。「飛ばす力をアピールしたい」と勢いに乗る。 選手たちは基本に忠実だ。毎日700~800本、多いときは1000本を超えて素振りし、打撃フォームを体に覚えさせ、それが底上げにつながっている。9番打者の成田武蔵捕手(同)が打率4割台をキープするなど、打線のどこからでも好機を作れるようになった。チーム打率は3割7分5厘と高い。 小技も光る。走っては宮川、布施、野辺の3選手が俊足を生かし、盗塁を伺う。投手の癖を盗む技術も磨いている。多彩な攻めも見られそうだ。 「明豊の強力打線を全国で見せつけたい」(表主将)。センバツに向け、ナインの士気は上がる一方だ。 × × 県勢として7年ぶりとなるセンバツ挑戦。10年ぶり出場の明豊と初出場の大分は、大舞台でどのような活躍を見せてくれるか。戦力を分析した。