石破首相の金融政策のコメント修正に2つの理由 ある意味、政府に対する国民からのガバナンスが効いていること、民主主義を活性化
【うまちゃんの財ザク!】 ■中国の景気刺激策で銅関連注目 石破茂首相は就任前、大規模金融緩和の長期化を批判してきました。金融政策については、日銀の追加利上げの動きを牽制することはないと思われていました。 しかし、日銀の植田和男総裁との会談後、「個人的には、現在、追加利上げをするような環境にあるとは考えていない」との認識を示しました。発言のトーンが変化したのは、2つの理由があると思います。 1つ目は個人投資家の声を受け止めるようになってきたこと。これまで特定の業界団体が選挙の票をバックに政治に影響力を与えてきました。しかし、投資という行為が中間層や低所得者層にも開放され、投資家の言論力が増してきています。 投資は豪遊したいからではなく、所得が増えない中、老後の生活資金に不安を抱え始めているのです。こういった人たちを無視できない状況になってきたわけです。 2つ目は、日本の大多数のサイレントマジョリティーが直近の政治とカネの問題で心が大きく揺れ動いていること。衆院選を目前に控え、この2つの潮流から修正を図ったわけです。 これ、私はむしろ評価しています。政府に対する国民のガバナンスが効いて、コメント修正に至ったのであるならば、民主主義を活性化させているといえるからです。 石破首相誕生を受け、防衛関連銘柄の物色が続いています。三菱重工業も上場来高値を更新、IHIも年初来高値を更新しています。ただ、三菱重工業はここまで上がってくると、少し割高感が否めません。 また、石破首相の防災省設立の主張に関し、防災関連も物色されてます。いろいろな企業の中で「防災」と名前がつく会社はほとんどなく、そんな中、能美防災が注目を浴びて上場来高値を更新しました。 あと、外需の不透明要素が強いことから、内需関連に資金が流入しています。アパレルの三陽商会、ワールド、「無印良品」を手掛ける良品計画、外食チェーンの物語コーポレーションなどです。 もう1つ、中国が景気刺激策を次々と打ち出していますが、中国の景気が回り始めると銅が足りなくなって銅価格が上昇します。その意味では、住友金属鉱山あたりも注目です。