米国債の弱気オプションで多額利益、トランプ氏勝利への賭けが実結ぶ
(ブルームバーグ): 米国債オプション市場では、利回り急上昇を見込み数週間前に手掛けた賭けを手じまう動きがみられた。こうした投機家は多額の利益を上げている可能性が高い。
ドナルド・トランプ氏の大統領選勝利を手掛かりに6日の米国債利回りが数カ月ぶりの高水準を付けたことを受け、米10年債、長期債両方のオプションで、大口ブロックの売りがいくつか確認された。 10月11日には行使価格が同じオプションがより低い価格で買われていたため、今回の売りは新規ポジションではなく、先月構築したポジションを解消する動きだったことが示唆された。
10月のオプション取引はいわゆる「トランプトレード」の一部だった。トランプ氏の大統領返り咲きで高関税と財政刺激策が導入され、経済成長とインフレが加速し、米国債の追加発行が相次ぐ状況を視野に入れた取引だ。ドルと米国株の上昇を想定した賭けも含まれ、6日にそうした取引が実を結んだ形となった。
先月設定されたオプションでは、10年債利回りの4.5%への上昇が部分的なターゲットに据えられていたが、6日には同利回りがその目標をわずかに下回る水準まで上昇した。一方、30年債利回りは2020年以来最大の上昇となり、一時4.68%を記録。10月のオプション取引で目標としていた4.75%に接近した。
6日正午までに確認されたブロック取引は、10月11日に行われたオプション取引の一部が巻き戻され、計1850万ドル(約28兆6000億円)前後の利益を上げた可能性がある。これら取引は匿名で実施されるため、関与した企業の特定は難しい。
原題:Bond Traders Net Millions on Bearish Option Bets After Trump Win(抜粋)
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Edward Bolingbroke