電気銅建値5万円高、過去3番目高水準。中国生産者の協調減産合意で
銅の国内相対取引の参考値となる電気銅建値が急伸し、過去3番目の高水準となった。JX金属は14日、電気銅建値をトン当たり5万円引き上げ135万円にすると発表した。2022年6月以来1年9カ月ぶりの高値。供給懸念によって国際銅相場が一段高となったことを映した。中国の銅生産者らが協調減産を実施することで合意したとの報道が影響した。減産については規模をはじめ具体的な内容は明らかとなっていない。 ロンドン金属取引所(LME)銅相場は13日、昨年4月来11カ月ぶりの高値圏まで急伸。3カ月先物価格は8600ドル台で始まった後、一時8950ドルまで上伸し、節目の9千ドルに迫った。3カ月先物価格はこれまで8700ドルが壁となっており、上値を切り上げるには新たな材料が必要とみられていた。しかし今回の供給懸念で明確に上抜けた。 LME銅相場においては、指定倉庫の銅在庫が漸減傾向にあったことも市場参加者に需給の引き締まりを意識させていた。LMEが13日発表した銅在庫は10万8925トン。2月月初は14万トン台で、約1カ月で3万トン以上減っている。 電気銅建値の過去最高値は22年4月に付けた137万円。当時はロシアのウクライナ侵攻に対する対露経済制裁を背景にロシア産地金への供給懸念が台頭していた。LME銅相場の3カ月先物価格は1万ドルを上回り、過去最高水準で推移していた。 過去最高値まで2万円に迫ったのはLME銅相場の上伸に加えて為替の影響が大きい。22年4月の円相場(TTS)は1ドル=129円台だったが、足元は1ドル=148円台で推移している。LMEがドル建てであるため、対ドルでの円の下落が国内価格の押し上げにつながっている。