「今回の経済対策」は株式市場の予想通り 今後は「103万円の壁の引き上げ度合い」に注目か【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】
経済対策への株式市場や海外投資家の反応は限定的、目先は103万円の壁の議論に要注目
経済対策は、おおむね事前に報道されていた通りの内容となり、株式市場にとって、特にサプライズとはなりませんでした。3本柱のうち、(1)日本経済・地方経済の成長において、AI・半導体産業基盤強化フレームの策定や、資産運用立国の実現に向けた取り組みの加速などが示されましたが、基本方針や現状の施策の説明であったため、海外投資家の反応はあまり大きくなかったように思われます。 今後、比較的大きな市場の反応が予想されるのは、103万円の壁の引き上げ度合いです。仮に国民民主党の要求通り、178万円に引き上げられた場合、減税規模は7.6兆円程度が見込まれます。恒久減税となるため、消費へのプラス効果が期待される一方、すでに地方自治体からは税収減を不安視する声が出ており、2025年度の税制改正大綱において、どの程度の上げ幅で着地するかが注目されます。 (2024年11月25日) ※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『「今回の経済対策」は株式市場の予想通り 今後は「103万円の壁の引き上げ度合い」に注目か【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】』)。 市川 雅浩 三井住友DSアセットマネジメント株式会社 チーフマーケットストラテジスト
市川 雅浩,三井住友DSアセットマネジメント株式会社
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