オリックス・九里 完投増やして200投球回到達「強くこだわりを持っている」 入団会見で誓う
広島から海外フリーエージェント(FA)権を行使してオリックスへ移籍した九里亜蓮投手(33)が25日、大阪市内で入団会見に臨んだ。既に2年契約で出来高払いを含めた総額4億円超とみられる契約を締結。背番号「22」のユニホーム姿を初披露し、サンタ帽をかぶったタフネス右腕が、18年菅野智之(当時巨人)以来のシーズン200投球回到達を誓った。 九里は球団カラーを意識した紺色のネクタイ姿で登場した。クリスマス当日に行われた入団会見。大阪の球団らしく、「ジングルベル」のBGMが流れる中、サンタ帽をかぶらされた写真撮影の“むちゃぶり”には「ちょっと恥ずかしかった」と苦笑い。ただ、本業の誓いでは、決意に満ちた表情をみせた。 「イニングを投げていくことに強くこだわりを持っている。200イニングを投げる投手は少なくなっていると思うので、目標としてやっていきたい」 NPBでのシーズン200投球回到達者は、18年の菅野智之(202イニング)、オリックスでは13年の金子千尋(223回1/3)が最後。23年には自己最多174回1/3を投げたイニングイーターは「そういう試合を多くしていかないと、200イニングという目標には届かない」と、昨季の「3」から今季は「1」に減った完投数の増加にも強い意欲を示した。 21年に一日で347球も投げたように、春季キャンプでの投げ込みは恒例行事。「ブルペンで投げる疲労度と、試合の疲労度は全く違う。球数を投げて疲れた後のブルペン投球が、試合につながってくる」と確固とした持論を持ち、「(首脳陣と)話し合って、自分の意見も言って決められたら」と、新天地でも継続する構えだ。34歳シーズンとなる来季へ向けて右腕は「まだまだ長くやりたい。若い選手に負けない気持ちでやっていく」と拳を握った。(阪井 日向) ◇九里 亜蓮(くり・あれん)1991年(平3)9月1日生まれ、鳥取県出身の33歳。岡山理大付から亜大を経て13年ドラフト2位で広島入団。1年目の14年3月29日中日戦でプロ初登板初先発初勝利。16~18年にはリーグ3連覇に貢献した。21年に13勝で最多勝、23年に球宴初出場。1メートル88、97キロ、右投げ右打ち。 <九里と一問一答> ――イニング数にこだわる理由は。 「チームで信頼してもらって、“次のイニングも任そう”という形で積み上がっていく数字。そういう形で信頼されるような投手になりたいと、プロ3、4年目くらいで思い始めた。新しい環境で一からの挑戦になるので、信頼を勝ち取っていけるようにやっていきたい」 ――若手投手の存在は。 「いいピッチャーが多いと思いますし、僕自身が学ぶこともたくさんある。少しずつでもコミュニケーションを取りながらやっていければ」 ――ファンに向けて。 「チームの勝ちに一試合でも多く貢献したい。今まで着ていた赤から紺のユニホームに変わる。似合っていると言われるように、頑張りたい」 ○…福良淳一GMはイニングイーターとしての役割に太鼓判を押した。「タフで持ち味でもあると思う。イニングは食ってくれると思うので、期待しています」。来季、2年ぶりのリーグ優勝へ向けて新戦力の活躍に大きな期待を寄せた。一方、プロ11年間で積み重ねてきた実績と経験にも目を向けた。「向上心を持っていて、研究熱心でもある。うちの先発投手は若い選手が多いですし、そこで引っ張ってもらえたら」と、投手陣のけん引役としても期待を込めた。