地域の民話集が完成 福島県田村市の「都路民話の会」
福島県田村市の「都路民話の会」は、市内都路町や田村地方に伝わる民話を冊子「田村の民話集」にまとめた。東京電力福島第1原発事故で被災した古里の復興に役立てようと企画し、会員が26の民話を厳選した。田村地方の小学校や公民館などに配布する予定。 民話集はA4判でモノクロ80ページ。市内の都路町をはじめ、大越、常葉、滝根、船引各町や三春町、小野町の民話を収めている。都路町のきつねにだまされた話や大越の鬼の伝説、三春駒の言い伝えなど多岐にわたる。渡辺美智子会長ら会員が話し合って選んだ。挿絵はいわき市の画家・幡野ゆりさん(都路町出身)が担当し、温かみのあるイラストが掲載されている。CDには、会員の声で録音した11話を収録した。文化庁委託の東日本大震災被災方言の記録作成及び啓発事業の一環で取り組んだ。 監修した福島大人間発達文化学類の半沢康教授は「生きた方言で話されており、学術的にも貴重な資料となる」と評価する。渡辺会長は「地域に伝わる文化を残したいという思いで作成した。これからも活動を続けていきたい」と誓う。
同会は2020(令和2)年から都路の民話集、方言かるた、田村の方言集などを作成している。