阪神・山田脩也 先輩が語った秋季キャンプ最年少若虎の魅力とは
【球界ここだけの話】さわやかな笑顔が安芸の地で光る。一つ一つのプレーからにじみ出るスターの素質。高知・安芸市で行われている秋季キャンプで最年少の阪神・山田脩也内野手(19)が充実のキャンプ初日を振り返った。 【写真】くまのプーさんのぬいぐるみを抱きしめる山田脩也 「雨の中だったんですけど、しっかりやるべきことというか、いいスタートダッシュは切れたのかなと思います」 スマートな立ち居振る舞いとは対照的に、打撃フォームは豪快そのもの。バットのヘッドをしっかりと投手側に入れ、両手を動かしながらタイミングを計る。 「あれが自分のタイミング、リズムです。しっかりとトップだけはずらさずに、ということを意識していますね」 まさに〝動〟の打撃フォーム。10月の秋季教育リーグでは13試合の出場で打率・333(45打数15安打)、4打点、4盗塁と結果を残した。再認識したのが、自身の持ち味でもある「手首の柔らかさを使う」ということ。タイミング、リズムを取るこの動のフォームがリストを使うことにもつながっているという。 一方で、入団当初から評価の高かった守備は〝静〟だ。昨年、二塁手としてセ・リーグのゴールデングラブ賞を獲得した先輩の中野は、まじまじと見つめた後輩の動きに感嘆の声をあげた。 「スローイングもハンドリングもすべてが柔らかいですね。やっぱりうまいっすよ」 名手も認める山田の守備力。中野はさらに、山田の魅力を語る。「高卒1年目ですけど、落ち着いて物おじせずやっているというところが一番すごいですね。このまま自分を貫いてやってほしい」。先輩から飛び出す賛辞の嵐に、山田は初めて10代らしいあどけない笑顔を浮かべた。 「自分の中で地に足がついていない感じはまだあるんですけど…。でも、そう言ってもらえたら、自分の中でやるべきことを冷静に淡々とできているのかなと思えますね。うれしいです」 安芸で鍛錬を積む金の卵。キャンプでの目標は「一番の若手らしく、しっかり声を出して元気よくやること」。光り輝く原石が成長を遂げる瞬間から目が離せない。 (原田遼太郎)