「成果第一主義の上司」が結局、成果を出せないワケ
企業内でまだ低い立場にある人には、自分の意見を出す機会はとても貴重です。そこでどんな反応を受けるかによって、今後のパフォーマンスは大きく変わります。本記事では、上級心理カウンセラーである野口雄志氏の著書『最大の成果をあげる心理的安全性マネジメント 信頼関係で創り上げる絶対法則』(ごきげんビジネス出版)より一部抜粋・再編集して、上司による部下へのフィードバックについて解説します。 【早見表】年金に頼らず「夫婦で100歳まで生きる」ための貯蓄額
肯定的なフィードバック
肯定的なフィードバックは、他者の意見や行動に対してよい点や成果を明らかにして、それを認めることです。相手のパフォーマンスに対しての感想を伝え、次のステップにつなげることを、ここではフィードバックといいます。ただし、フィードバックとはあくまでも肯定的な内容で伝えることを徹底するべきです。肯定的な内容にこだわる理由は、たとえ自分が違う意見をもっていても、そこで発言や行動したことを認め、多様な考え方がある点を告げることにより、批判ではなく受容できるような表現でフィードバックすることになります。 ここを間違えてしまうと、せっかく自分の考えをアウトプットしたにもかかわらず、文句や批判ばかりされることで、次に出すことを躊躇してしまうのです。とくに企業内でまだ低い立場にある人には、自分の意見を出す機会はとても貴重です。そこでの受け入れられる自信は、それからの働き方に大きくよい影響をもたらせます。 私が前職で組織の活性化を図るために行った改革のなかでは、全員が改革にかかわる施策の提案者になる会議を定期的に行っていました。役職や経験に関係なく、係員すべてがフラットで「組織活性のためのアクション」を考え、意見を出し合う会議でした。時にはブレイン・ストーミング※を活用し、あるいは車座になって資料も持たずに議論をしていました。そこではそれぞれが自分以外の意見やアイデアに対して肯定的なフィードバックを行います。このように自分自身で自分の属している会社の改革案を考える機会にしました。 ※問題の解決策や新しいアイデアを発見するために会議で使用される「集団発想法」 自分の組織を自分の考えで改革する、考えただけでもワクワクしてきます。このような機会を率先してマネジメントがつくり出すことがポイントです。そこで出た意見を発案者が発表し、所属するチームの意見として最終の部門方針として検討すべく上申されることになります。そこでもマネジメントチームからの肯定的なフィードバックが、さらなるアイデア出しにつながっていくのです。 最終的に採用されることも多く、新入社員も含めた社員全員が積極的に検討する姿はキラキラしていて、とても眩しく感じたことを覚えています。その瞬間には、自らの参加意識やアイデアなどが自然と湧いてきますのでワクワクもしてきます。 肯定的なフィードバックの具体的な方法やポイントを次にまとめてみました。
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