信州でも「令和のコメ騒動」コメ不足で価格高騰…消費者「お昼は必ずそば・ラーメンでしのぐ…」【長野】
「令和の米騒動」はいつ落ち着くのでしょうか。 ■キラヤ黒田店・唐沢和志店長 「私が働くようになってからは、このような状況は初めての光景ですね」 コメの売り場にはほとんど商品がありません。飯田市のこちらのスーパーでは、「1家族1袋限り」と購入制限も…。 こうした光景がおよそ2カ月続いていると言います。 「終わりました!もう品物ないです!」 人々が米穀店に駆け込み… 行列をつくった、1994年。前の年の「冷夏」による不作が引き起こした「平成のコメ騒動」…いまはまるで「令和のコメ騒動」です。 取材中、市内の米穀店がコメを届けに訪れました。出荷したのは、うるち米ではなくもち米です。 それでも… ■男性客 「何キロ、これ?」 ■男性客(飯田市民) 「何年か前は余って困ると言っていたのが、足りなくなるなんて考えられない」 農林水産省によりますと、民間のコメの在庫は6月末時点で、統計開始の1999年以降で最も少なくなりました。 代用品として市民が求めているというのが… ■キラヤ黒田店・唐沢和志店長 「一日で普段の3倍は売れています」 レトルトのパックごはんです。買い物客の中にはこんな人も… ■女性客(飯田市民) 「お昼は必ずそばとかラーメンとか、しのいでいます」 ■男性客(飯田市民) 「昼はパンをたまに食べたり。(でも)やっぱりコメでないと」 「令和のコメ騒動」… いつまで続くのでしょうか? ■キラヤ黒田店・唐沢和志店長 「おそらく9月には新米がどんどん出てきますので、9月いっぱいかけて正常に戻るのかなと」 コメ問屋の倉庫を見せてもらうと… ■村松商店・村松丈徳 副店主 「この状態なんですけど…(苦笑)普段ですとこの端境期にきても、もう少しコメの山があったりするんですが…」 去年収穫されたコメの在庫は平年の半分ほどしか残っていません。 それでも、精米に追われる毎日です。 ■村松商店・村松丈徳 副店主 「去年のコメ(の流通)がどうして少ないかというのは、質が悪いから、一番は去年の気候が暑すぎたので。こういう、胴割れって言うんですけど…」 暑さで品質が低下したコメは精米機の振るいにかけられ、市場に流通しません。 これが、今回の品薄の要因だといいます。 ■村松商店・村松丈徳 副店主 「すみません、はい、村松商店です!」 取材中も、コメを確保したい顧客からの注文が… ■村松商店・村松丈徳 副店主 「いまコメ不足が騒がれていると思うんですが…新米からもお出しは出来ます。潤沢に仕入れるので大丈夫なんですが、ただ値段が上がります」 新米の価格が高騰するという見方が強まっています。 ■村松商店・村松丈徳 副店主 「(業界紙の予測では)昨年のコメの価格の5割~6割増しというところ」 その理由とは…?新米をつくっている農家は、頭を悩ませています。 ■コメ農家・井沢清人さん 「この暑さ、なんとかして下さいって感じ。とにかく良品のコメを出したい、ただそれだけ」 連日の猛暑で、今年もイネの生育に影響が出ていました。 ■コメ農家・井沢清人さん 「(生育は)ちょっとじゃなくて、だいぶ早い」 稲穂が出る「出穂」。井沢清人さんの田んぼでは、平年8月6日ごろですが今年は、先月25日。去年に続いて、2週間ほど前倒しになっているそうです。 新米が早く流通することで「令和のコメ騒動」も落ち着くことが期待されます。 しかし、今年も… ■コメ農家・井沢清人さん 「温度(気温)が高いから。胴割れ米・死に米が出ちゃう。品質の低下が一番怖い。良品として品物が出ていかない(出荷されない)ので」 (Q市場に出るコメが…) 「少なくなっちゃうんじゃないですかね」