地球規模の海洋環境学ぶ 東大大気海洋研が古仁屋高で特別授業
鹿児島県瀬戸内町の県立古仁屋高校(米澤瑞代校長、生徒87人)で7日、東京大学大気海洋研究所による「海と希望の学校 on the globe」があった。インド洋の海上で研究を行う同研究所の研究員と岩手県の県立大槌高校はま研究会に所属する生徒9人をオンラインでつないで実施。生徒らは研究員から研究内容の説明を受け、地球規模での広い視野で海洋環境の課題を学んだ。 同研究所の研究員や学生ら31人は、大型研究船「白鳳丸」(4073トン)に乗り込み、世界中の海を航海し長期の研究を行っている。 現在、東部インド洋の総合的な観測調査と中央インド洋海嶺の巨大断層に沿って、地球物理観測や岩石採取を主とした総合調査を目的に研究。過去1100万年前までの海洋底の形成を明らかにし、地球システムの長期変動の実態と要因に迫っている。7日時点でマレーシア付近を航行していた。 特別授業は主に同研究所主席研究員の沖野郷子教授が担当。沖野教授は、地震活動や火山活動など、地球の表面近くで起こるさまざまな現象を、プレートの運動で説明する学説「プレートテクトニクス」や大洋のほぼ中央に連なる幅広い海底山脈「中央海嶺」などについて解説した。 船内の構造や、海底地形や岩石、生物など、分野別の研究員の研究内容の紹介もあった。質疑応答の時間も設けられ、両校の生徒らは積極的に質問していた。 生物や地学分野に関心があるという古仁屋高校の生徒は「何かを調べるということは本当に面白いことなんだと改めて認識した。今後、船などを使って研究をしてみたい」と話した。