ソニー、SBIがdouble jump.tokyoに出資、15億円の調達ラウンドで──ソニーの独自チェーン「Soneium」でゲーム開発
ブロックチェーンを基盤としたゲームを開発する double jump.tokyo(ダブルジャンプ・トウキョウ)が、ソニーグループやSBIグループなどの複数の企業から約15億円の資金を調達した。ソニーが独自開発するブロックチェーンをベースにしたゲーム開発に着手する。 double jump.tokyoは28日、約15億円の調達ラウンドの概要を公開した。ラウンドをリードしたのは、ブロックチェーン領域で事業を拡大しているSBIホールディングスの子会社、SBIインベストメント。他には、Taisu VenturesやGate Ventures、TMキャピタル(北電子ホールディングスグループ)、Bing Venturesなどのベンチャーキャピタルが参加した。 調達した資金は、大手ゲーム会社とのIP(知財)を活用したブロックチェーンゲームの共同開発や、日本と海外における組織体制の強化などに充てる。また、ソニーやSBIと連携したそれぞれの事業開発を行う。
ソニー、SBIをパートナーに事業を開発
具体的には、ソニーが今月発表した独自チェーンの「ソニューム(Soneium)」を基盤としたゲームの開発を進める。 「Soneium」は、ソニーが8月23日に発表したブロックチェーンで、イーサリアムブロックチェーン(Ethereum)の「レイヤー2」と呼ばれるカテゴリーに入る。イーサリアムの基軸レイヤーだけでは取引処理に限界があるため、基軸レイヤーとは別に稼働するレイヤー2のチェーンを動かすことで、イーサリアム全体の機能を向上させるというもの。 関連記事:ソニー、イーサリアム・レイヤー2「Soneium(ソニューム)」発表──アスターはAstar zkEVMをSoneiumに移行 一方、double jump.tokyoは、SBIグループが運営するNFT(非代替性トークン)マーケットプレイスと連携した事業の開発も進める方針だ。 SBIグループは、ブロックチェーンで発行・取引される暗号資産(仮想通貨)やNFT(非代替性トークン)、不動産などの資産に紐づくデジタル証券(セキュリティ・トークン)、法定通貨に連動するステーブルコインなどを扱う事業基盤を国内外で強めてきている。 ソニーグループの波多野 和人氏は、「double jump.tokyoは日本発のブロックチェーンゲームをけん引してきた実績を持つスタートアップであり、同社の技術力・開発力で今後、エンタメ業界全体のweb3技術の利活用が進むとともに、独自のポジションで成長していくことを期待する」と発表文の中で述べている。 2018年4月設立のdouble jump.tokyoは、開発したブロックチェーンゲーム『My Crypto Heroes』を通じて注目を集めてきた。経営をリードしているのは上野 広伸CEOで、野村総合研究所などで複数の金融システムの基盤構築に従事してきた人物。 ブロックチェーンを基盤にするゲームの分野では、大手ゲーム会社のコナミグループとネクソン(Nexon)が今年、アバランチ(Avalanche)ブロックチェーンを使った次世代型ゲームの開発計画を明らかにした。そして、音楽やゲーム、映像など多様なコンテンツを有するソニーグループが、独自チェーンの開発を世界に向けて発信した。 世界中の多くのプレイヤーが、長期にわたって楽しめるブロックチェーンゲームは、果たして誕生するだろうか? |文:CoinDesk JAPAN編集部|編集:佐藤茂|画像:リリースより
CoinDesk Japan 編集部