まさかの結末……失格によりF1での勝利を逃した、過去5人のドライバーたち。ラッセルは通算6人目
ミハエル・シューマッハー(ベネトン):1994年ベルギーGP
繰上げ優勝:デイモン・ヒル(ウイリアムズ) ミハエル・シューマッハーが、ラッセル以前に失格により優勝を取り消された最後のドライバーである。彼は1994年のベルギーGPでトップチェッカーを受けながら、スキッドブロックが規定以上に摩耗していたとして、優勝を剥奪された。 当時ベネトンに所属していたシューマッハーは、ベルギーで圧倒的なパフォーマンスを発揮。13秒差で勝利を手にしたかに見えた。しかしレース後の車検で、彼のマシンのスキッドブロックは1mm以上摩耗していたことが判明し、失格に。スキッドブロックとは、マシンの底に取り付けられている木の板で、車高を上げ、グラウンド・エフェクト効果を減らすことを目的としたものだ。 同年のサンマリノGPではセナが事故死。このためF1マシンのスピードを下げ、安全性を確保しようと様々な施策が講じられたが、このスキッドブロックもその一環。このベルギーGPのわずか2戦前に導入されたばかりだった。 これによりヒルが勝利を掴んだが、最終的にはシューマッハーが同年のタイトルを獲得。これがシューマッハーにとって初のF1タイトルであった。
Ed Hardy, 田中健一