トランプ米大統領（当時、左）と習近平中国国家主席＝２０１９年６月２９日、大阪市（ＡＦＰ時事）

　【北京時事】米大統領選でトランプ前大統領の当選が確実となり、米中の通商摩擦が激化することは避けられそうにない。 　ただ、中国の習近平政権は、トランプ氏の「米国第一主義」によって、米国と同盟国の足並みが乱れ、「対中包囲網」に亀裂が生じる展開も想定している。 　中国外務省の毛寧副報道局長は6日の記者会見で、大統領選に関し「米国民の選択を尊重する」と強調。「中国は引き続き、相互尊重と平和共存の原則に従って対米関係を処理していく」と述べた。 　SNS「微博（ウェイボー）」では、トランプ氏の返り咲きで貿易戦争の再燃を憂慮する声が上がった。一方で、米国内が混乱することを期待して「おめでとう」と歓迎する投稿も相次いだ。 　トランプ氏は北大西洋条約機構（NATO）の集団防衛義務を軽視する態度を取ってきた。中国は米国の政権交代を米欧の連携にくさびを打ち込む好機と捉え、欧州に接近していくとみられる。習政権は「（トランプ氏が当選すれば）台湾は捨て駒になる」と繰り返し発信してきており、米台関係の揺さぶりも図る構えだ。