兵庫県知事選挙に立候補した7氏の経歴・政策まとめ
前職が県議会から不信任決議を受けて失職したことに伴う兵庫県知事選挙が10月31日告示、11月17日投開票の日程で実施されています。今回の兵庫県知事選挙には届け出順に新人の清水貴之(しみず・たかゆき)氏(50)、新人の稲村和美(いなむら・かずみ)氏(52)、前職の斎藤元彦(さいとう・もとひこ)氏(47)、日本共産党が推薦する新人の大沢芳清(おおさわ・よしきよ)氏(61)、新人の福本繁幸(ふくもと・しげゆき)氏(58)、新人の立花孝志(たちばな・たかし)氏(57)、新人の木島洋嗣(きじま・ひろつぐ)氏(49)の無所属7名が立候補しました。本記事では立候補した7人の経歴・政策をご紹介します。
清水氏は福岡県出身、早稲田大学卒業。朝日放送のアナウンサーを経て、参議院議員を2期連続で務める
清水氏は1974年福岡県筑紫野市生まれ、早稲田大学教育学部卒業。朝日放送にアナウンサーとして入社し、テレビ番組やラジオ番組に司会やリポーターとして出演。在籍中に関西学院大学大学院を修了しました。2012年の第46回衆議院議員選挙に兵庫4区から立候補しましたが落選。2013年に日本維新の会公認候補として参議院議員選挙に兵庫県選挙区から立候補し初当選、2019年に再選しました。
清水氏が掲げる政策とは
清水氏は自らのホームページにおいて以下の政策を公表しています。 1.ひょうごの未来への投資 ~若者・子育て支援と人材育成~ ①「ひょうご版」高等学校の授業料実質無償化 ・若者が各家庭の経済格差によらない均等な教育機会を確保し、学び続けられる環境を提供。 ・公立高校、私立高校それぞれの特性と建学の精神を尊重し、多様な学びの選択肢を拡大。 ②「ひょうご版」大学生奨学金支援制度の創設 ・県内の大学生などへの給付型奨学金制度の抜本拡充及び地元企業や自治体と連携し、地元就職の際には、返済が免除・軽減される貸与型奨学金制度を拡充。これらの制度により、県内の大学生の経済的負担を大幅軽減し、社会人の大学・大学院進学も積極的に応援。 ・地元企業との連携を通じたインターンシップ等の職業訓練プログラムを拡大し提供することで、兵庫県内での働く場所と働き手の確保を推進。 ③グローバル人材育成プログラムの推進 ・医療、スタートアップ等の国際拠点都市兵庫を推進するため、留学支援や国際交流プログラムを拡充し、次世代のグローバル人材を育成。 ・神戸空港の国際化を契機に、海外友好・姉妹提携都市との交流プログラムをより活性化。 ④若者・子育て世代に対する支援の強化 ・不妊治療にかかる費用助成や治療休暇制度の整備を進め、子育て世代の負担を軽減。 ・県営住宅の利活用促進や若い家族向けの家賃補助制度を実施し、兵庫県内の子育て環境を整備。 ⑤仕事と育児の両立支援 ・保育施設の整備を進め、保育士の待遇改善や働きやすい環境を提供して待機児童問題を解消。 ・テレワークやフレックス勤務の導入を促し、子育てと仕事の両立が可能な働き方を推進。 2.ひょうごをより強く ~地元経済の活性化と創生支援~ ①地域資源のブランド化支援 ・兵庫五国(摂津、播磨、但馬、丹波、淡路)の地域特性を活かし、環境負荷を抑えたエコツーリズムや地域資源保護を踏まえた観光振興を推進。 ・地元の特産品のブランド化と販売促進を支援し、地元経済への利益循環を促進。県内の農林水産業に県民及び地元企業を巻き込み、作り手・売り手・買い手として兵庫一丸で支援。 ②人口減少対策を推進 ・県庁の建て替えを含む元町エリア再整備のグランドデザインを策定し、県外からの移住、観光を促進。 ・県内どの地域でも快適にリモートワークやオンライン教育が可能な地方のデジタル環境整備を進めることで、若者・子育て世代を対象とした移住・定住促進策を実施。 ③環境・次世代成長分野に取り組む企業の支援 ・持続可能な兵庫県を実現するため、水素エネルギー利活用等の環境負荷軽減に取り組む県外企業の誘致、地元企業の取り組みを支援。 ・先端科学技術基盤とグローバルIT企業のラボを有する兵庫県発のAI、IoT、最先端技術を用いた新たな取り組みを目指す地元企業を支援。 ④中小・小規模・個人事業主、ベンチャー企業への支援 ・不安定な国際経済が経営に与えるダウンサイドリスクを軽減するための支援策を拡充し、持続可能な地域企業の継承に向けた支援を実施。 ・地元金融機関と連携し、兵庫県内の新規起業時の創業融資・投資を円滑にするとともに、産官学連携の大学発ベンチャー企業の創出支援や海外からのベンチャー企業誘致、デジタル技術を活用した企業などが負担する行政手続きを大幅に軽減。 ⑤五国創生イノベーション創出の支援 ・県立大学をハブとした新たなスキルの獲得(リスキリング)や学びなおし(リカレント)の場を全ての住民に対して実質無償で提供。 ・兵庫五国全域の異業種事業者同士がつながり、新たな付加価値を創出するきっかけづくりの場を提供する専門的なサポートチームを設置。 3.ひょうごを守る ~防災・災害対策と県民の生命を確保~ ①防災・減災拠点、インフラの強化と早期復旧策の策定 ・道路、河川、港湾施設、病院などのインフラを災害に強い構造へと改良し、緊急時の避難・支援活動を迅速化。 ・災害発生後、道路や鉄道などの重要な交通インフラの早期復旧を目指した計画を策定。 ②防災教育の推進と地域防災計画のICT化 ・テレビ、SNS、自治体の広報を活用し、住民の防災意識を日常的に高めるキャンペーンを実施。地域住民や自治体、ボランティアを中心とした防災訓練の実施を通じて協力する共助体制を強化し、災害時の支援活動を促進。 ・AIとデータ分析を活用した災害予測システムを構築し、リアルタイムで住民に避難情報を発信。 ③災害対応型住宅の普及と避難所のバリアフリー化 ・地震や台風に強い設計の住宅建設を推進し、災害リスクに対応した住環境の整備を促進。 ・高齢者や障がい者のみならずペットと一緒の人も安心して利用できる避難所を整備 ④食料安全保障の推進 ・気候変動と世界的な人口増加、国際情勢の悪化により世界的食糧危機に対応するため、兵庫県の農林水産業は県民の食糧安全を確保するための基本計画を策定。 ・最新技術の導入支援を通じて生産性向上を実現し、県内の食料生産額を増加。 ⑤重要凶悪犯罪対策及び警察力の強化 ・防犯カメラや見守り活動、スマホ等を利用した啓発活動を充実させ、防犯能力を向上。万が一凶悪犯罪が発生した際の迅速で総合的な情報分析の効果的・効率的な捜査を強化。 ・高度化するサイバー犯罪や特殊詐欺に対する警察力の更なる強化を推進するとともに、犯罪被害者等への具体的で断続的な支援プランを策定。 4.ひょうごをアップデート ~DX推進による行政サービスの質の向上~ ①オンライン行政手続きの推進 ・県が係る行政手続きのすべてをオンラインからアクセス可能にし、完結できるようにし、住民の利便性と満足度を向上。 ・DXの推進によって懸念される住民データの保全と安心安全な行政サービスの提供を目的に、サイバー攻撃対策を強化。 ②DXの推進による行政の透明化 ・ICTを最大限に活用して、知事の活動を含む行政活動の情報公開を積極的に推進し、県民の信頼を取り戻す仕組みを構築。 ・特定業者への依存を排除し、全国的なシステムの標準化を進めることで、行政の透明性と効率性を向上。 ③県庁内のデジタル・AI利活用の推進 ・行政職員向けにICT研修を実施し、デジタル対応力を向上させ、AI・ビッグデータを活用して住民ニーズを把握し、迅速かつ的確な政策立案を実施。 ・ペーパーレス化等のDX推進に伴う業務効率化を通じて行政コストを削減。 ④デジタルインクルージョンの推進 ・高齢者やデジタルに不慣れな住民にもサポートを提供し、誰もがデジタルサービスにアクセスできる環境を整備。 ・デジタルデータ受信端末の普及支援策とネットワーク整備を推進。 ⑤遠隔医療と地域包括ケアシステムの整備 ・県内の医師の偏在対応として、高齢者や地域住民が医療機関に行かずに自宅から遠隔で医療相談を受けられるシステムを整備し、健康維持を支援。 ・健康管理システムを通じてパーソナルヘルスケアレコードを地域内で迅速に共有できる環境を整備し、より質の高い地域包括ケアシステムを構築。 5.ひょうごの誇り ~多様性・包摂社会の実現~ ①公共交通機関と新型交通サービスを組み合わせた持続可能な地域交通の整備 ・地方の公共交通の維持・改善を図り、高齢者や移住者にも安心な移動手段を提供。 ・公共交通機関網がカバーできていない地域を中心とした新型交通サービスの導入。 ②ユニバーサル社会の推進 ・男女共同参画、障がい者雇用や高齢者など、多様な人材が活躍できる地域社会づくりを推進。 ・不登校児童とその保護者へのきめ細やかなサポート体制を促進するとともに、県民一人ひとりの命を守る自殺防止策を県が率先して推進。 ③兵庫五国内外のつながり活性化 ・多世代が集うコミュニティセンターや「じいじばあばの子ども食堂」を設置し、人々の交流を促進。 ・瀬戸内海から日本海にまたがり多様な地域で暮らす県民同士が県内各地域間でつながり、農林水産業の支援や自然体験、防災対策等の交流を通じて相互理解を促進。 ④動物と人との共生 ・集落に対する野生鳥獣による被害を防止するための捕獲促進支援制度を拡充するとともに、将来世代の技術継承・人材育成を実施。 ・ペットの飼い主・販売主等に対する意識向上キャンペーンを推進し、理由なき殺処分ゼロを目標。 ⑤NPO・市民活動の支援 ・地域課題解決に取り組むNPOやボランティア団体への支援金交付や活動拠点の提供を拡充。 ・NPOやボランティア活動を支援し、地域住民のつながりを深め、県内全域で共助の精神を涵養。