とにかくクールなPC「Zenbook S 14」は処理性能が少し気になる
パフォーマンスについて
今回、Intel Core Ultra 7 256Vが搭載されたレビュー機のパフォーマンスを限界まで確かめるためにいろいろ試してみました。 ASUSとIntelは、このCore Ultra 200VシリーズでAMDやQualcommのCPUと比べてトップに立てるようにと画策しているようです。今回Core Ultra 7 258Vのほうは触れなかったのでわかりませんが、256Vではさまざまなベンチマークテストを試してみました。いくつかのテストで良いスコアもでましたが、結論としては競合製品ほどではなかったです。 たとえば、BlenderでのテストではPCで動画のワンシーンのレンダリングにかかる時間を計測しました。Zenbook S 14はCPUでのレンダリングに約5分かかりましたが、M3チップのMacBook Airでは4分弱でした。また、Handbrakeで4K動画をエンコードするテストも行ないましたが、こちらもZenbookが8分半以上かかったのに対し、Qualcomm Snapdragon X Elite搭載のMicrosoft Surface Proは5分半ほどでした。 GeekbenchとCinebenchでのCPUベンチマークでは、Core Ultra 7 256Vはシングルコアで競合チップよりも約100ポイント低いスコアでした。マルチコアではその差は約1,000ポイントとなりました。 今回のレビュー機のモデルをほかの競合他社のAI向けの最高級チップと直接比較するのは少し無理があったような気がします。Core Ultra 7 256Vと258Vは多くの点で同じですが、内部的には大きな違いがあるようです。258Vでの結果はまた違ったものになると期待したいですね。 ベンチマークについてあれこれ言うのも楽しいですが、実際のところZenbook S 14を長時間使用しても重くなったりカクついたりすることはありませんでした。ブラウジングでのタスクはまったく問題なかったといえます。 ゲームについてはこのモデルがベストとは言えないと思います。3DMark Time Spyのテストスコアは、全世代のIntel Core Ultra 155Hを搭載したDell XPS 14よりも低い結果となりました。 Intelは、Core Ultra 7 258VではXeSS(IntelのAIアップスケーリング機能)を実行しなくても39fpsを実現できるとしています。今回Core Ultra 7 256Vで『Cyberpunk 2077』をプレイしてみましたが、XeSSを実行して「Low」から「Medium」品質の設定で25fps程度でした。