多賀が見せた背番号3のユニホーム

京都橘を破った富山一のチームワークを示す一枚。写真：早草紀子

［高校選手権2回戦］富山一（富山）2－1 京都橘（京都）／12月31日／味フィ西 　2023年12月31日、味の素フィールド西が丘で開催された第102回全国高校サッカー選手権大会の2回戦。その第1試合で勝利を収めたのは、富山一だった。 【PHOTO】“選手権”から日本代表へ羽ばたいたヒーローたち！ 当時の秘蔵ショットで振り返る！ 　前半15分に先制される苦しい展開ながらも粘り強いサッカーで対抗。そして後半11分に谷保健太のゴールで追いつくと、後半35分に多賀滉人のPK弾で逆転して、2-1と競り勝った。 　試合後、富山一の加納靖典監督に「勝因」を訊くと、指揮官は「あえてひとつ挙げるならチームワークですかね」と答えてくれた。 「昨日も選手だけでミーティングしたいと言われたんです。そんな中で、ここに来られなかった選手たちやマネージャーが動画を作ってくれたり、いろんな人が彼らを励ますために準備をしてくれたんですね。で、ミーティングでみんな泣いて。 レギュラーだったけど骨折で出られなくなった岡田（駿也）も自分の想いを語ってくれて。岡田は自分のお父さん（悠史さんもかつて選手権に出場）を超えるために富山一に来たけど、それを叶えられなくなったということを泣きながら話してくれたんです。 （出場停止の）山本大心も初戦に出られないし、そうした人たちの想いを背負って頑張ろうとミーティングで選手たちは泣きながら誓い合っていたので、それが今日の結果に繋がったと思います」 　まさにチームワークを示す感動秘話。後半35分、PKを決めた多賀がその直後にカメラマンの前で自身のユニホームの下に着ていた背番号3のユニホーム（岡田のもの）を見せたのも、「ともに戦っている」というメッセージを伝えたかったからだろう。 取材・文●白鳥和洋（サッカーダイジェストTV編集長）