150年の歴史と記録を保管 富草小学校が「文の林」設置【長野県阿南町】
長野県阿南町の富草小学校が、150年にわたる学校の歴史や記録を保管する「文の林」を校内に設置した。地域とともに歩んできた姿を残す冊子や写真など、それぞれ異なる場所で保管していた資料を一カ所にまとめて整理。地域住民にも公開し、気軽に立ち寄ってもらえるようにする。 同校の創立150周年だった昨年、記念事業の一環として実行委員会や児童らが学校や地域の歴史を調査・整理し、記念誌や映像としてまとめた。 高齢者からの戦争体験聞き取り映像など貴重な記録が多く、実行委からは今後の記録保管についての意見が上がり、当時PTA会長だった村山哲さん(55)が記念誌のあいさつの中で記録保管庫の設置を提案していた。 学校側も村山さんらの思いに賛同。ほとんど使われていなかった1階パソコン室の一部を、村山さんの寄付を活用して文の林に改装した。150年の歩みをまとめたパネルを展示し、卒業文集や学校文集、各種記念誌、音楽会や運動会のDVD、CDといった資料・記録を整理。町や地区、県の郷土史、阿南町出身の国文学者西尾実さんの関連資料なども保管している。 室内にはテーブルと椅子を置いて交流スペースとしても使えるようにした。宮澤昭二校長は「学校や地域への熱い思いを感じ、学校としても協力したいと思った。子どもたちにとっても自分が育った地域の歴史を知ることは大切」と語り、「地域の人たちにも気軽に立ち寄ってもらい、サロンのようになればいい」と期待した。 看板の設置が完了した13日には落成式が開かれ、児童らにお披露目。招待された村山さんは「素晴らしい保管庫ができた」と喜び、「貴重な資料をしっかりと保管してもらえれば」と話していた。