【40代・50代、知れば知るほどおもしろい!ホルモンの世界①】食欲を司るふたつのホルモン「レプチン」「グレリン」をうまくコントロールして太りにくい体に!
グレリンを抑え込むには運動や、食前のレモン水、タンパク質も効果的
一方、空腹ホルモンのグレリンはというと…。 「グレリンは、食べ物が入ってこない状態が2~3時間続くと分泌量が増えますが、ダラダラ食いは避けて、空腹感を感じてから食事をとるようにすることがポイントです。 また、グレリンは、運動をすると分泌を抑えられるという研究報告もあります。運動をするとグレリンが分泌されないので、空腹を感じにくくなるのです。運動の強度が高いほど効果があるとされ、運動後1時間は続くといわれています。空腹感を感じる前に運動をすれば、無駄食いが防げて太りにくい状態を維持できるといえます。 そのほか、食事の前にレモン水を飲むのもおすすめ。レモンの香りや刺激が、交感神経の働きを高めて満腹中枢に働きかけ、グレリンを抑え込む一方で、レプチンの分泌を促します。満腹になるまではタイムラグがあるので、食事の20分ほど前に飲んでおくのがポイントです。また、タンパク質の多い食事も、グレリンの分泌を下げることがわかっているので、食事の最初に肉などのタンパク質をしっかりとるのも効果的です」 レプチンとグレリンをコントロールすれば、無理な食事制限をしなくても太りにくくなることが期待される。いろいろなテクニックを取り入れて肥満を防いでみてはいかがだろう。
【教えてくれたのは】 工藤孝文さん 内科医・糖尿病内科・統合医療医・漢方医。福岡大学医学部卒業後、アイルランド、オーストラリアへ留学し、食行動異常について研究。現在、福岡県みやま市の工藤内科で、糖尿病内科、ダイエット外来、漢方治療を専門とし、地域医療にあたる。著書は『人生が変わるホルモンコントロール術 はたらくホルモン 朝1杯の牛乳が夜の睡眠を変える』(講談社)など多数。 取材・原文/和田美穂