【40代・50代、知れば知るほどおもしろい!ホルモンの世界①】食欲を司るふたつのホルモン「レプチン」「グレリン」をうまくコントロールして太りにくい体に!
【食欲を司るふたつのホルモンのおもな働き】 <レプチン> ・食欲を抑えて、太りにくくする ・エネルギー消費量を増やして、脂肪がたまるのを防ぐ <グレリン> ・食欲を増進させる ・細胞内のミトコンドリアを元気にして、老化を防ぐ ・成長ホルモンの分泌を促す
睡眠不足だと「レプチン」が減り、「グレリン」が増えるので、食べすぎやすくなる
では、これらのホルモンをコントロールして、太りにくい体をつくるには? 「実は、このふたつのホルモンに深くかかわるのが、睡眠です。満腹ホルモン・レプチンは、睡眠時間が短いと低下し、空腹ホルモン・グレリンが増加することがわかっています。 つまり、睡眠不足だと食欲が増して、ドカ食いしやすくなってしまうのです。さらに、グレリンが分泌されると、甘いものや高カロリーのものを食べたくなる傾向があることもわかっています。よく眠れなかった日は、なぜか甘いものやジャンクフードが無性に食べたくなることがあると思いますが、これは睡眠不足によってグレリンが増えてしまうためなのです。 実際、睡眠時間が4時間以下の人は、7~9時間の人より73%も肥満になりやすいという研究データもあります。ですから、レプチンとグレリンをうまくコントロールするためにも、7時間は睡眠をとるようにすることがおすすめです。そうすることで、過剰な食欲を感じにくくなります」
早食いをするとレプチンが十分に分泌されない段階で、食べすぎてしまうのでNG
さらに、レプチンやグレリンをコントロールするコツはほかにも。まず、満腹ホルモン・レプチンのほうは、食べ方にポイントがあるそうだ。 「満腹ホルモンのレプチンは、食後20分が経過してから多く分泌されるといわれています。20分より早く食べると、まだ十分にレプチンが分泌されないので、満腹感を感じにくいままどんどん食べてしまい、食べすぎにつながります。太らないためには、ゆっくりよく 嚙んで食べるほうがいいといわれるのは、このためです。20分以上かけてよく 嚙んでゆっくり食べると、少ない量でも満腹感を感じやすくなるので、太りにくくなります。 ただ、レプチンは多量に分泌され続けると、レプチンを受け取るレプチン受容体の働きが鈍くなり、食欲を抑制しづらくなることがわかっています。肥満の人はこの状態に陥りやすく、そのため満腹感を得られず、際限なく食べてしまいがち。レプチン抵抗性を改善するには、高脂肪食や過剰な糖分摂取を控えて、内臓脂肪を落とすことも大切です」