木村祐一『ダウンタウン』から“勝手に”学び続けた30年
プロデューサーさんがおっしゃった「おもしろくなかったら、クビだから」という言葉。もちろん、本当にそのとおりですし、何にもおかしいことではない。ただ、そこで重ねて松本さんが「そら、そやろ」と言う意味。スタッフさんが、僕が、みんながいるタイミングでそれを言う意味。それも幾重にもあってのことやったんやろうなと。もちろん、僕はさらにふんどしを締めてかからないといけないし、周りのスタッフさんに対しても「ニュートラルに、普通に、こいつのことを評価したらエエから」という意味もあったんだと思います。その方が、みんながプレーンに、しっかりと仕事に取り組めるというか。方法はいろいろですけど、あらゆる形で気にかけてくださっていることが、ただただ有り難いなと。 ま、最近は“気にかけ方”が、ちょっと変わってきてますけどね。特に、浜田さんは。ずっとこっちのことを見てくださってますからね。芸人として、人間としてというよりも、いちオッサンとしてと言いますか。やれ老眼がどうやとか、人間ドックがどうやとか、どの薬が合うだとか、そんな話をよくしてます(笑)。 ま、恩返しなんておこがましいですからね。ふと、こちらを見た時に「なんか、忙しそうにしとんなぁ」と思ってもらう。それを続けるくらいしか、僕には思いつかないですね。健康にだけは気をつけながら(笑)。 ■木村祐一(きむら・ゆういち) 1963年2月9日生まれ。京都市出身。ホテルマン、染め物職人などの仕事を経験した後、お笑いコンビ「オールディーズ」を結成。1990年にコンビ解消後は、ピンとして活動。フジテレビ系「ダウンタウンのごっつええ感じ」を契機に、構成作家としても活動。俳優としても、映画「ゆれる」などに出演。また、映画「ニセ札」(2009年公開)で映画監督に初挑戦した。また映画「ワレワレハワラワレタイ ウケたら、うれしい。それだけや。」では、笑福亭仁鶴から若手まで、107組の芸人にインタビューし、芸人という仕事の本質に肉薄している。同作は、4月21日から24日まで開催される「島ぜんぶでおーきな祭 第8回沖縄国際映画祭」で特別上映される。 ■中西正男(なかにし・まさお) 1974年大阪府枚方市生まれ。立命館大学卒業後、デイリースポーツ社に入社。芸能担当記者として、演芸、宝塚歌劇団などを取材。2012年に退社後、株式会社KOZOクリエイターズに所属。現在、関西の人気番組「おはよう朝日です」などに出演中。