万博会場最寄り「夢洲駅」は1日最大13万人利用 対策なしなら混雑率140%の推計も
大阪メトロなどは31日、中央線を延伸して2025年大阪・関西万博会場の人工島・夢洲(ゆめしま)(大阪市此花区)に新設する「夢洲駅」を報道陣に初めて公開した。万博会場に直接乗り入れる唯一の鉄道ルートで、会期中のピーク時には1日最大12万9千人の利用が見込まれる。交通手段の〝生命線〟として、いかに混雑緩和措置と安全対策を取るかが課題だ。 【写真】夢洲駅のホームには3台並列のエスカレーターが設置されている 夢洲駅は来年1月19日に開業する。地下2階の構造で、ホームは長さ160メートル、幅10メートル。運行ダイヤ図を折り紙風に表現した天井や門型の照明など特徴的なデザインが随所に施され、地下1階のコンコースには縦約3メートル、横約55メートルの大型電子看板が設置されている。 JR大阪駅からは乗り換えも含め約30分で到着するため、最大で万博来場者の約6割が利用する見込み。万博を運営する日本国際博覧会協会(万博協会)の推計では、対策を取らなければ、朝のラッシュ時の混雑率は現在の70%から140%に倍増するとされる。 万博協会や大阪府・市などは会期中に沿線で働く人に通勤時の迂回(うかい)や時差出勤などを呼びかける「万博TDM(交通需要マネジメント)」を掲げる。会場近くの府咲洲(さきしま)庁舎(大阪市住之江区)と周辺で働く府市や万博協会の職員についても、ラッシュ時の通勤の7割削減を目指すが、効果や実現性は見通せない。(桑島浩任)