久保建英をU-20W杯代表に選ばず今“飛び級”させることに意味があるのか?
久保は2年前に韓国で開催された、前回のU-20ワールドカップにも出場している。もっとも当時は16歳になる直前で、FC東京でもトップチームではなく、J3に参戦しているU-23チームが主戦場だった。U-20ワールドカップでも先発はなく、3試合に途中出場して無得点で終えている。 対照的に底知れぬ潜在能力を急速に解放しつつある今シーズンは、代役の効かない絶対的なエースとしてU-20日本代表をけん引することができた。前回大会のベスト16以上を目指していく戦いの過程で、2年前には感じられなかった新たな発見があったはずだ。 昨シーズンのJリーグベストヤングプレーヤー賞を獲得し、今シーズンから「10番」を託された20歳の安部は、常勝軍団アントラーズで定位置を完全に確保したとは言い難い。今シーズンから守護神を拝命したばかりの19歳の大迫とともに、最初で最後となるU-20ワールドカップで世界における自身の立ち位置を確認し、刺激を受けることが必要だったのではないだろうか。 南米サッカー連盟(CONMEBOL)から招待されていたコパ・アメリカへの参戦が正式に決まった昨年末の時点で、ベストメンバーで臨めない可能性は高かった。各国の協会が選手を招集できる権利をもつ国際Aマッチウイーク以外の開催であり、なおかつ国際サッカー連盟(FIFA)が大陸選手権へ臨むために選手を招集できる各国協会の拘束力を、1年で1大会のみと規定しているからだ。 森保ジャパンは今年1月に、UAE(アラブ首長国連邦)で開催されたアジアカップを戦っている。国際Aマッチウイークではなかったが、日本が所属するアジアの大陸選手権であるがゆえにJFAに拘束力が生じた。だからこそ、コパ・アメリカのチーム編成は難航するのではないか。こんな指摘を受けた関塚技術委員長は、自信満々にこう語っている。 「(アジアカップと)両方の大会に出てはいけない、という規定はないので。そこのところはご理解いただければ、と思います」