とんでもない富裕層の人々と「信頼関係」を築く3つの方法。超高級マリーナ管理人が明かす(海外)
ジョナサン・シット氏はシンガポールにあるONE15マリーナの地域ゼネラルマネジャーとして活動している。 34歳のシット氏は、裕福な顧客たちと強力な人間関係を結ぶために、対面でのコミュニケーションと敬意を重視している。 シット氏は、メンバーのヨットについて知り、共通の関心について話すことで、信頼が得られることを学んだ。 以下のエッセイは、ONE15マリーナで地域ゼネラルマネジャーとして活躍するジョナサン・シット氏との会話をもとにしている。長さとわかりやすさの観点から、編集を加えた。 私は香港で育ち、フォーシーズンズ(Four Seasons)などのホテル、あるいは「カプリース(Caprice)」というミシュラン3つ星レストランでインターンを経験した。それ以来、私はキャリアを通じてずっと比較的裕福な人々と関係してきたため、そうした市場における実情に精通している。 コーネル大学のホスピタリティ課程を修了した私は、シンガポールに移り住んだ。2014年、シンガポールのセントーサ・コーヴにあるONE15マリーナに就職し、2年間副管理者として働いたのち、地域ゼネラルマネジャーになった。 現在の役割には、マリーナ、イベント管理会社、チャーター会社、さらにいくつかの外部プロジェクトの管理が含まれる。忙しい日が続くが、だからこそ面白いとも言える。 マリーナに停泊するボートのなかには、2000万ドル(約30億円、1ドル=150円換算:以下同)から3000万ドル(約45億円)ほどするものもある。そのようなボートを所有できるのは、ボートの価値の何倍にも相当する純資産をもつ人に限られるため、私のクライアントは非常に裕福な個人だ。 CNBCで目にしたばかりの人が、Tシャツと短パンでうろつき、私と一緒にコーヒーを飲んでいるのだから、不思議と謙虚な気持ちになってしまう。
1. できるだけ電子メールは避ける
この仕事を始めたばかりのころ、ときどき難しい案件に悩まされることがあった。私たちのやり方が気に食わないメンバーから苦情のメールが届く、などだ。 以前は、そうしたすべての問題に対して一つひとつ返信したが、まもなく、そのやり方では効率が悪いことに気づいた。こちらが議論を始めようとしたところで、メンバーはそれを望まない。彼らが求めるのは、あくまで問題の解消なのだ。 乗り気でない場合でも、電話を手に取って直接こう言ったほうがいい。「もしもし、少しお話しできますか? できれば、会って話したいのですが」。なぜなら、メールでは多くの場合で、相手の解釈次第でこちらが書いた文面の口調が変わってしまうからだ。 とても強硬なクライアントに訴訟を起こすと脅されたこともあるが、そんな彼らも、話し合ったあとには私たちが彼らの意見を真剣に受け取っていると知り、とても友好的になって顧客であり続けてくれた。 昔ながらのやり方ではあるが、面と向かった交渉を通じて双方が満足できる妥協点を見つけることで、会話の流れが大いに変わることがある。