とんでもない富裕層の人々と「信頼関係」を築く3つの方法。超高級マリーナ管理人が明かす(海外)
2. 言葉にはゴールドと同等の価値がある
セントーサ・コーヴ(Sentosa Cove)は2000から3000の世帯が暮らす住宅地で、住人の多くが私たちのメンバーである。ヨットで暮らしている人もいる。 みんなフィードバックを自発的に返してくれるし、ときには私をランチに誘って、彼らの仕事や事業について話してくれることもある。 最近の例を挙げると、あるメンバーから、ほかの人のことを知らないからテニスグループを立ち上げてくれと頼まれた。その後、その人は感謝の印として、私たちをディナーに招待してくれた。そこで私たちは、マリーナのレストランの改装やピックルボール用コートの設置費用などについて話し合った。 価格について話し合うことで、クライアントとの交流を深め、彼らのお金に関する考え方について理解しやすくなる。私がひとりで考えて答えを出しても、彼らのニーズに合っていないかもしれないのだ。 私たちのメンバーは、自分が支払うお金に対して、それに見合った価値を求めているだけだ。彼らには、こちらのサービスに10万ドル(約1500万円)もの料金を支払う経済力はあるかもしれないが、その彼らとて結局のところ、高い価値を求めているのである。 ただし、約束には注意しなければならない。約束をしたことは、絶対に果たさなければならないからだ。言葉には、それに見合った価値が伴う。信頼を失えば、それを取り戻すのは難しい。
3. 裕福な人を崇拝してはならない
しらじらしく聞こえるかもしれないが、マリーナ・ビジネスとは人を相手にしたビジネスであり、メンバーは人間として扱われることを望んでいる。 何か問題があった場合、契約書をたたきつけて、条項を指さすだけではダメだ。相手を人間として扱い、敬意をもって接したほうがいい。 聞く耳をもたれなかったり、わがままを言われたりしてフラストレーションが蓄積する日もあるかもしれないが、私はあまり気にしないことにしている。クライアントが私やチームの仕事を認めてくれる、うれしい日もあるのだ。 たとえば、ビーチの清掃やサンゴの世話などをコツコツと続けている私たちに、「きみたちはライバル会社よりもはるかに先を行っている」と褒めてくれる人もいる。そのように認められたときは、仕事をしてきてよかったと思える。 ヨットについて学習することも、メンバーとの関係を良好に保つ役に立つ。また、時事問題についても、できるだけ情報を集めるようにしている。メンバーの多くはビジネスに携わり、米国大統領選挙などといった最新の出来事について話すことを好むため、そうしたことについて知っていると、彼らとの関係を深めやすい。 彼らをあがめるのではなく、人間として扱うことで、尊敬が生まれる。冗談を言い合えるようになれば、彼らは喜び、友人として接してくれるだろう。 これまで何度か、資金や人材の面で協力したいと申し出てきたメンバーもいたが、それはわれわれが望んでいることではない。 私の経験では、メンバーたちはみんなとても謙虚かつ誠実で、彼らを相手にできるのはとても幸運だと思える。特別扱いを求める人などいない。誠実で、優れたサービスだけを望んでいる。
Lian Kit Wee