江戸時代に実戦も経験、石垣に戦国期から近世への特徴…「島原城跡」など6件が国指定史跡へ
文化審議会は20日、島原・天草一揆(1637~38年)を退けたことで知られる島原城跡(長崎県島原市)や、古代の役所「大宰府」を守る土塁だった可能性がある前畑遺跡(福岡県筑紫野市)など6件を史跡に指定するよう文部科学相に答申した。
島原城は島原藩主の松倉重政が1624年頃に築いた。江戸幕府が新規築城を制限する中で建てられ、実戦も経験した数少ない城の一つ。石垣の様式に戦国期から近世への過渡期の特徴がみられる。前畑遺跡は大宰府政庁の南東丘陵にある土塁状の遺構。政庁の防衛ラインとなる施設だった可能性があり、大宰府の構造を考える上で貴重という。
このほかの答申は次の通り。
【史跡】松倉城跡(岐阜県高山市)▽越高(こしたか)遺跡(長崎県対馬市)▽臼杵城跡(大分県臼杵市)▽与論城跡(鹿児島県与論町)
【名勝】納池(のいけ)(大分県竹田市)
【登録記念物】明神山(奈良県王寺町)▽丸井氏庭園(鳥取県倉吉市)▽上林(かみはやし)の風穴(愛媛県東温市)▽穴井戸観音(大分県豊後高田市)