尹大統領の「党務介入」に続き、大統領夫人「候補公認介入」匂わせ…テレグラムが露呈
尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の夫人のキム・ゴンヒ女史が、4月の総選挙を控えて「単数(候補公認)は、私も良いと思う」と述べ、与党「国民の力」の候補公認に介入したことを匂わすテレグラムのチャット内容が公開された。尹大統領も2022年7月、「内部に銃を向けていた党代表が退いて、(党の雰囲気が)変わった」というテレグラムのチャットが公開され、党務介入疑惑で物議を醸した。秘密の対話など保安性の高いテレグラムだが、逆説的に大統領夫妻の不適切な行動が露呈する経路となったわけだ。 「JTBC」は2日夕方、キム女史が与党政治ブローカーのミョン・テギュン氏とキム・ヨンソン前議員の候補公認に関して交わしたテレグラムのチャット内容を公開した。ミョン氏が「当選5回の議員が党内選挙で脱落すれば、嘲笑の種になる」と言うと、キム女史は「単数(公認)は、私も良いと思う」、「基本戦略は党内選挙にならなければならない。今はキム・ヨンソン議員が弱い候補に会って説得していくしかない」と相次いでメッセージを送った。ミョン氏が保管していたテレグラムのチャット内容を「JTBC」に伝えたものとみられる。 大統領室は困惑している。キム女史のメッセージについて「党内選挙が基本原則だという原論的な返事をしただけ」と述べたが、「候補公認に関する対話」という事実は否定できない状況に追い込まれたわけだ。公認の可否とは関係なく、大統領の配偶者が候補公認の請託ともとれる対話に応じたものであり、波紋を広げるものとみられる。 これに先立ち、テレグラムは尹大統領の党務介入疑惑の発端ともなった。「党務に介入しない」と繰り返し公言した尹大統領は、2022年7月当時「尹核関(尹大統領の核心関係者)」と呼ばれた国民の力のクォン・ソンドン院内代表兼党代表職務代行に「内部に銃を向けていた党代表」というメッセージを送った。党員権停止状態のイ・ジュンソク代表に対する「陰口」であり、党権掌握を狙う尹核関を励ます趣旨だった。クォン代表が国会本会議場でメッセージを確認する場面が取材陣のカメラにとらえられたことで明るみに出た。 波紋が広がると、大統領室は釈明もできないまま、一日を過ごさなければならなかった。翌日、チェ・ヨンボム大統領室広報首席(当時)は記者会見で「プライベートな対話内容がどんな経緯であれ公開され、国民やさまざまなメディアに一部誤解を招いた点は非常に望ましくない」と述べた。大統領が公言した党務不介入については触れず、「誤解」、「望ましくない」などの言葉を並べた主語のない釈明だった。 キム・ナミル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )