当方ブスぞろい!? 大阪のスナック「ブスの店」ママに聞く店名の理由
テレビでおなじみ「ブスの店」
当方ブスぞろい!? 大阪のスナック「ブスの店」ママに聞く店名の理由 撮影・編集:柳曽文隆 撮影:北代靖典 THEPAGE大阪
ブスの店・その名の由来は?──。大阪市都島区の地下鉄谷町線・都島駅の近くにキラキラと輝くスナックの看板。よく見ると「ブスの店」という文字が大きく書かれていた。大阪育ちの筆者は、以前、テレビなどでこの店が紹介されているのを何度か見た気もするが、実際にこの文字を目の当たりにすると「どのような店なのか?」と興味をそそる。そして店の壁にある「当方ブスぞろい」の文字を見たら、ますます気になる。どういう意図でこの屋号にしたのか、さっそく店のママにその理由を聞いてみた。
興味をひく「お客様求む・急募」看板
ブスの店の壁には、消えかかっているが「急募」という看板。一見、店員募集の広告かと思いきや、よく見ると「お客様求む」の文字とともに年齢・性別・容姿「不問」とも書かれている。さらに「低料金優遇す」「当方ブスぞろい」の文字をみて、筆者は思わずふきだした。 店の扉を開けると、優しく元気な声で「いらっしゃいませ」「どうぞおすわりください」の声が響き、笑顔でカウンターに立つのは同店の杏子ママ。この店のことを聞くと「今年で開業48年目になります」と笑顔で答えてくれた。 世間一般的に「ブス」と聞くとマイナスなイメージをもってしまうのだが、失礼ながら杏子ママの姿を見て「ブス」という言葉とイメージが一致せず、筆者はおもわず「ブスちゃいますやん」と言ってしまった。すると「美人の基準もブスの基準もないと思うんですけど」と杏子ママは笑顔で返答。こうした反応は日常茶飯事だという。
開業48年、最初は「美人スナック」だった
そもそもなぜ「ブスの店」なのか。「うち、もう48年目なんですけどね、最初は『美人スナック杏』という屋号でやってたんですよ」と杏子ママ。しかし、開業2年目くらいに、お客さんから衝撃の言葉が発せられた「どこに美人がおんねん」という言葉が、店名変更を決意させた。 当時はたくさんの女性従業員を雇っており美人ぞろいと思っていたが、杏子ママいわく「開業して2年、慣れてきたらそんなもんですわ(笑)」。「どこに美人が?」と言われことに対抗したわけではないが「それやったらブスにしよう」と思いつき、屋号を「ブスの店 スナック杏」に変えたという。 ただ「別に私がブスやとか女の子がブスやからじゃなくて、女ってそんな自分が『ブス』やなんて絶対思ってませんやん」と続けた。 しかし、この店名を変えたことが運命を変えた。お客は看板で想像してくれて、ママいわく「すごい美人がおるか、すごいドブスがおるかという感じで、来られてない方はいろいろ想像してくれたりしてるようなんです」とその効果を笑顔で振り返る。