『北欧こじらせ日記』の著者chikaさんがフィンランドで起業。決意を後押しした元同僚の言葉と襲われた異国ならではの孤独
北欧好きをこじらせた元会社員が、フィンランドでの日々をマンガでつづるリアルライフエッセイの「北欧こじらせ日記」。 【マンガを読む】chikaさんが感じた「新しい孤独」とは? その第4弾の「フィンランド起業編」は、失業からの起業でリスタートを切った、移住2年目の七転び八起きが詰まっている。 すし職人から転身し、日本とフィンランドでエッセイ等の執筆活動をしているchikaさん。しかし、起業したchikaさんに孤独の壁が襲う。異国の地で起業に踏み切った理由は何なのか。
好きでいられる範囲も限界がある
「フィンランドに住みたい」と熱望し、2022年に13年越しの夢を叶え、フィンランド・ヘルシンキに移住したchikaさん。 すしレストランですし職人として働き始めるが、移住1年目で倒産してしまう。そして、職探しの過程で、フィンランドでの起業を決意した。 起業を決めたきっかけのひとつは、ヘルシンキ市の職業安定所で出会ったキャリアアドバイザーからの問いかけだったとchikaさんは語る。 「働き先を探す私に、『あなたができることじゃなくて、本当にしたいことはなんですか?』と質問をしました。『あなたには、3つの選択肢があります。1つは転職、2つ目は学び直し、3つ目が起業。仕事を探したいなら求人を紹介し、やりたいことがあるけどスキルがないなら学び先を、そして起業ならビジネスアドバイザーを紹介します 』、と。これを言われたときはすごくビックリして。仕事先を探さなきゃと焦っていた私には衝撃だったのと、行政の方から言われるとは思わず、考えてみますとお返事しました」 そしてもうひとつのきっかけは、すしレストランで働いていた同僚の「どんなに好きなことでも、好きでいられる範囲の限界はある」という言葉だ。 「この言葉に影響を受けて個人事業主の道を選びました。レストランで急な欠員や繁忙期が重なり、長時間労働が続いた時期に、すし職人の仕事を愛してやまないフィンランド人の同僚がこの言葉を言いました。仕事は好きだけどこの働き方を許容できるほど好きじゃない、と」 好きならどこまででも貫いて、自己犠牲は当たり前という固定観念があったchikaさんには衝撃的な言葉だったという。 この言葉を受け、自分の好きな仕事について、限界を超えてまでやるような働き方を選ばなくてもいいと学んだと振り返る。