3度目防衛戦に向け、計量クリアした日本スーパーウエルター級王者出田裕一（左）と挑戦者の同級3位加藤寿

　プロボクシング日本スーパーウエルター級王者出田裕一（40＝三迫）が自らのバースデーに3度目防衛成功を誓った。8日、東京・後楽園ホールで同級3位加藤寿（39＝熊谷コサカ）の挑戦を受ける。7日には東京・文京区の日本ボクシングコミッションで前日計量に臨み、リミット（69・8キロ）より200グラム少ない69・6キロでパスした加藤に対し、出田は500グラム少ない69・3キロでクリアした。 　計量日の7日、40歳の誕生日を迎えた出田は「年齢は考えなくていいのであれば考えたくない。何もないです。不惑？　うーん、思うところはない。よくここまで頑張ってこれたなと。周りのサポートがあってこそなのですが、少しは自分をほめたいと思う」と決意を新たにした。過去、日本王座に限れば、40歳を迎えて日本王者なのは出田が初めて。国内最年長の日本王者と言って良い。 　2度目のタイトル挑戦となる加藤も39歳。両者合わせて「79歳対決」となる。過去に1度、スパーリング経験のあるサウスポーの挑戦者に対し「典型的なサウスポーでやりづらかった印象。勝つためにやることをやるだけかなと思っています。どの試合でも中間距離ではなく、得意である接近戦にするために何をするのか。いかに早い段階に詰めて自分の距離にして手数で圧倒して。捕まえて仕留めていきたい」と試合展開のイメージを膨らませた。 　今年5月に第2子となる長男が誕生した。4歳の長女の時には時間的に割けなかったという育児に積極的に参加。V3戦の試合会場に彩子夫人ら家族全員が駆けつけるという出田は「ミルクをあげたりおむつを替えたり、娘の時には妻に任せていたことをやるようになった。時間のメリハリをつけられるようになった。家族が増えて？　心境的には勝たねば、です」と決意を新たにした。 　一方、39歳の挑戦者加藤は「（2人合わせて）79歳になる。どういう形であれ、注目していただけるのはありがたいことなので。でも年齢はどう言われても数字なので。ある程度の年齢でもやれるよ、というのは出田さんが示してくれている。その道を自分も進んでいけるように自分も（ベルトを）奪いたい。」とリスペクトの気持ちを持ってリングに立つ。 　スパーリングで拳を交えているだけに出田の実力はインプットされている。加藤は「すごく重厚さがある王者。どうやって強い出田さんを攻略しようかと。出田さんは近い距離、僕は長い距離で戦う展開になる。その展開をいかに続けられるかがカギ。良い試合をしてベルトを取りたい」と誓っていた。