海岸に押し寄せた重油、「普通の人々がシャベルで」除去 ロシア大統領に対応訴え
(CNN) ロシアの黒海に面した海岸で重油の除去作業を続けるボランティアの住民らが、ウラジーミル・プーチン大統領に支援を求めている。沖合ではロシアのタンカー2隻が座礁。流出した重油が50キロ以上にわたって海岸に押し寄せた。 ロシア国営メディアによると、座礁したタンカー2隻は悪天候で激しく損傷し、重油が流出した。タス通信によれば、積載していた9000トン以上の重油のほとんどが、ロシア本土とクリミア半島を隔てるケルチ海峡に流出。プーチン大統領は先週、「環境災害」と位置付けていた。 グリーンピース・ウクライナによると、流出した重油は少なくとも3700トンに上り、実際にはそれよりもはるかに多いと思われる。 除去作業を続けるボランティアは24日のビデオメッセージで、地元クラスノダール地方の自治体には重油を除去する手段がないと訴え、ロシア大統領と首相に対応を求めた。 「地元当局には対応できない。その手段がない。唯一の手段はシャベルを持った普通の人々だ。これほどの惨状はシャベルでは克服できない」。ボランティアの一人は動画の中でそう語り、連邦政府が対応して専門家を派遣するよう要請。これほどの汚染は国際的にも影響を及ぼすとして、外国の専門家の派遣も求めた。 「最近になって、5000人のボランティアと救助隊が除去作業に当たると発表があった。被害がこれほど広大な範囲に及んでいる状況では、たとえシャベルを持った人が5万人いたとしても、問題を解決することも状況を救うこともできない」とボランティアは続けている。 プーチン大統領は19日、タンカー座礁の責任は船長にあると述べ、燃料のほぼ40%が流出したと指摘。タンカーの回収作業は悪天候に阻まれていると言い添えた。