国学院大のエース・平林「優勝して前田監督を号泣させたい」…箱根駅伝で初優勝と3冠へ壮行会
第101回箱根駅伝(来年1月2、3日)で初優勝と史上6校目の3冠を目指す国学院大は13日、東京・渋谷区の渋谷キャンパスで壮行会を行った。前田康弘監督(46)は昼休みに集まった学生、教職員に向けて「今季は二つ、勝ちました。成長しています。何より、今季のチームは団結力があります。箱根駅伝で優勝するために1年間、やってきました。皆さんと一緒に戦っていきたいと思います」とあいさつすると、大きな拍手が沸き起こった。エースで主将の平林清澄(4年)は「箱根駅伝で優勝し、前田監督を号泣させたいです」と力強く話した。 今、大学駅伝界で最も勢いのあるチームが国学院大だ。学生3大駅伝開幕戦の出雲駅伝(10月14日)では最終6区で平林が駒大のエース篠原倖太朗(4年)、青学大のエース太田蒼生(4年)とのアンカー対決を制して優勝。第2戦の全日本大学駅伝(11月3日)ではエース区間の7区で平林が青学大の太田と同タイムの熱戦を演じ、最終8区の上原琉翔(3年)が優勝のゴールテープを切った。箱根駅伝で史上6校目の3冠が3冠がかかる。前田監督は「一戦一勝。3冠を狙うとは言いません。結果的に3冠だった、となれば最高です」と話す。平林も「ここまで二つ勝ちましたが、箱根駅伝を勝たない限り、勝ったとは言えません」と熱く語る。 前回の箱根駅伝壮行会では、現在、国学院大の大学院に在籍している歌手の相川七瀬(49)がオリジナルソングの「たすきをつなげ」を熱唱し、選手を元気づけた。相川は今季も出雲駅伝、全日本大学駅伝を現地で応援し、優勝を見届け「勝利の女神」と呼ばれている。前田監督と相川は、これまで数度、対談を行うなどして交流がある。前田監督は「歌手として活躍しながら、なお、向上心を持って大学院で勉強を続ける姿勢を尊敬します」と、選手に好影響を与える相川に感謝する。 国学院大は11月28日から5日まで沖縄・宮古島で合宿を行い、箱根路制覇に向けて強化は順調に進んでいる。「前回は12月に入り、インフルエンザでチームが崩れた。今回はここまで故障者、体調不良者がいません。これからはコンディションが一番、大事になります」と前田監督は表情を引き締めて話す。 今季の学生3大駅伝は出雲駅伝、全日本大学駅伝のいずれも国学院大が快勝し、駒大が2位、青学大が3位だった。最終戦の箱根駅伝も「3強」を中心に激しい優勝争いが繰り広げられそうだ。 ◇国学院大 1922年に陸上競技部が創部。98年にスポーツ強化部会制度創設によって硬式野球部、柔道部とともに本格的な強化を開始。箱根駅伝には2001年初出場。最高成績は20年の総合3位。19年の出雲で学生3大駅伝初優勝。24年に2度目の優勝。全日本大学駅伝は24年に初優勝。練習拠点は川崎市と横浜市。タスキの色は赤紫に黒の縁取り。主なOBはマラソン日本歴代9位の土方英和(旭化成)、同48位の浦野雄平(富士通)ら。
報知新聞社