ナンバープレートの封印、151事業者が取り扱い違反 すべて新車ディーラー 国交省調査
国土交通省は8月9日、全国約2500の封印取り付け受託者を対象に実施した封印業務の実態調査結果を発表した。道路運送車両法に違反する封印の不適切な取り扱いが確認された事業者数は151者で、すべて新車ディーラーだった。このうち、4者は「委託解除」に、24者は「6カ月間の委託停止」を同日から行うこととした。北海道内の一部運輸支局で不適切な取り扱いを一部容認するような指導を行っていたとの報告もあったため、事実関係の調査に乗り出した。 3月に発覚した旭川トヨタの封印業務に関する不正事案を受けて、国交省では4月15日から封印の取り付け業務に関する実態調査を進めてきた。 実態調査を通じて確認された不適切事案は、(1)一度取り付けられていた封印(使用済み封印)を再度車両に取り付け、(2)届け出をしていない事業場での封印取り付け、(3)届け出た封印の取り付け担当者以外の者が封印を取り付け、(4)新規登録した自動車への封印取り付けの未実施、の4項目だった。 4項目すべての不適切事案があった旭川トヨタ、トヨタカローラ愛知、トヨタモビリティ中京、福井トヨペットの4者に対しては、封印取り付けの委託を9日付で解除した。同日から2年間は管内の地方運輸局長から封印取り付けの委託を受けることができない。使用済み封印の再利用を行っていた24者には、封印の取り付け委託を6カ月間停止する。これ以外の3つの不適切事案でいずれかが確認された事業者は123者を数えた。 今回、封印業務で不適切事案があった事業者に対して、国交省は再発防止策を9月末までに管内の地方運輸支局に提出するよう求めた。提出された再発防止策の内容については本省も共有し、実施状況の確認や指導などを都度行う。 実態調査の結果を踏まえ、国交省も再発防止策を検討する。封印取り付け受託者向けの教育の充実や封印取り付け責任者による監督責任の強化などが案に挙がる。物流・自動車局の鶴田浩久局長は「(再発防止策などを通じて)不正事案が起きないように周知徹底を図っていきたい」と話す。 今回の実態調査では、封印の取り付け受託者による不適切事案の事実が判明したことだけに留まらなかった。合わせて、封印の取り付け業務などに関して不適切な取り扱いを一部容認するような指導を北海道内の一部運輸支局で行っていたとの報告があった。そのため、国交省は事実関係の調査を開始している。 封印取り付け業務の委託停止を受けた事業者は次の通り。 ▽関東=ネッツトヨタ東都、トヨタS&D西東京 ▽北陸信越=NTPトヨタ信州、新潟ダイハツモータース ▽中部=NTP名古屋トヨペット、トヨタカローラ静岡、トヨタカローラ福井、トヨタカローラ名古屋、トヨタモビリティ東名古屋、愛知トヨタEAST、愛知トヨタWEST、三重トヨペット、三重日産 ▽近畿=ネッツトヨタニューリー北大阪、神戸トヨペット、ネッツトヨタウエスト兵庫、和歌山トヨタ ▽中国=ネッツトヨタ山陽 ▽九州=大分トヨペット、ネッツトヨタ鹿児島、ネッツトヨタ熊本、熊本ダイハツ、佐賀ダイハツ、宮崎トヨタ