21歳で“4度目”の支配下挑戦 独立→育成→戦力外で新球団「1軍で投げたい」
NPB支配下登録選手へ4度目のチャレンジが始まった
支配下選手登録を目指す強い思いがある。昨年10月5日。一緒に構想外になってオリックスを退団し、DeNAに支配下選手で契約された中川颯投手の存在だ。お互いに置かれた、厳しい環境を支え合った仲間。くふうハヤテ入りした際には「前向きに、感謝の気持ちを持ってお互いに頑張ろう」とメッセージを送ってくれた先輩だ。 中川颯は立教大から2020年ドラフト4位でオリックスに入団したサブマリン。2022年に戦力外通告を受け、育成選手として2023年には2軍で21試合に登板し防御率1.38と安定した成績を残しながら支配下復帰は叶わず、2度目の戦力外を告げられた。新天地では29試合に登板し3勝1セーブ、5ホールドを挙げ、巨人とのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ、ソフトバンクとの日本シリーズでもピンチのマウンドで登板し、好救援を果たした。 「同じ日に戦力外になって一緒に練習をしていただき、絶対に活躍してほしいと思っていました。颯さんが活躍する度に、もっと頑張ろうと練習をしました。ヤクルト入りが決まって『来年は1軍で会えるように、お互いに頑張ろう』と言っていただけました」と、西濱は声を弾ませた。 オリックス時代には他の選手の迷惑にならないように、早朝、無人の室内練習場で練習に励んだ。電気を付けず、窓から差し込む朝日を頼りに汗を流した。神経を使ったこともあり体重は激減したが、くふうハヤテでは練習に集中して、切磋琢磨することができた。 支配下選手登録への新たな取り組みは「みやざきフェニックス・リーグ」でスタートした。独立時代から「11」、「030」、「18」と変わってきた背番号は「016」に。11月23日に22歳の誕生日を迎える。NPB支配下登録選手へ4度目のチャレンジは始まったばかりだ。
北野正樹 / Masaki Kitano