前半、対抗戦初トライを決める慶大ＷＴＢ小野沢

♢20日　ラグビー　関東大学対抗戦　帝京大57―19慶大（群馬・太田市運動公園陸上競技場） 　慶大の注目ルーキー小野沢謙真（1年・静岡聖光学院）が対抗戦初トライ。過去2戦はFBでフル出場しながらトライなしに終わっていたルーキーがついに決定力をみせつけた。前半23、相手陣左のラインアウトから右オープンで飛ばしパスを受けると、相手のタックルを受けながら右隅へダイビングトライ。対抗戦3戦目で初トライをあげると、後半34分には大外へスピード勝負で相手タックラーを振り切って2本目のトライを決めた。 　「今日は大差で負けたけど、良いDFからトライを取れた場面もあった。ゲームの流れを作るトライをとれたことはうれしい」と小野沢は初々しく声を弾ませた。 　父は日本代表でW杯3大会出場、テストマッチ通算55トライのWTB小野沢宏時さん。自身は中学時代に単身オーストラリア留学も経験し、高1から大阪・花園の全国大会で活躍。大学に入学した今春、いきなり日本代表候補合宿に招集された逸材だ。筑波大、明大との2戦ではトライなしだったが、大学選手権3連覇中の王者・帝京大戦で記念すべき初トライを決めた。 　試合には19―57で敗れた慶大だが、青貫監督は「ここまでの2試合では1年の小野沢に仕事をたくさん任せて負担をかけていたので、今日はWTBでボールタッチを増やして走ってもらおうと思った。本人も楽しそうだったし、期待以上に活躍してくれた」と、ルーキーの大ブレークに手応えを感じた様子だ。 　この試合でデビューしたSO和田健太郎（1年・清真学園）もロングパスと左足からの絶妙キックでトライを演出。開幕3連敗と苦しいスタートながら新世代が活躍する慶大。シーズン後半に向け、面白い存在になりそうだ。