保育士・てぃ先生が徹底解説! 「保育園に行きたくない」とグズるときこそ、“禁断の一言”が効く
保育園に必ず行くという姿勢は崩さない
――子どもが保育園や幼稚園に行きたくない!と言って、絶対に動かないこと、あるんですよね。でも親としては仕事が……というせめぎ合い。子どもを何とか園に行かせる良い方法はありませんか? 現役保育士・てぃ先生が徹底解説! 子ども同士のトラブル、親は何をしたらいい? 必ず行ってほしいと思っているのなら、「行く前提」で話を進めてください。「行かない選択肢」が少しでも見えると困った状況になります。スーパーのお菓子売り場と同じで、買ってもらえる可能性が1パーセントでもあるのなら、子どもはとことん粘ります(笑)。だから、お子さんに園に行ってもらわないと困ると思っているのなら、「園には絶対に行くもの」という姿勢を崩すことは避けてください。表情、態度、行動、生活習慣とすべてにおいて絶対にブレないことが大切です。
――胸が痛んでも隙を見せてはいけないんですね。 はい。まずはお子さんの気持ちを受け止めてみてください。ただし、「受け止める」と「受け入れる」は全く違います。受け止めるというのは「そうだよね。行きたくないよね」と気持ちをくむこと、受け入れるは「じゃあ行くのやめちゃおう」です。3歳も超えれば園には行くものだというのは頭ではわかっていると思います。その上で行きたくないと言っているのは、本当は行きたくないんだって気持ちをわかってほしいという訴えなのだと思います。
「行くと楽しいよ!」のポジティブな声掛けはむしろ逆効果の可能性も
――そのときの声掛けとして、「園に行ったら鬼ごっこできるね」「今日はお誕生日会のケーキが出るよ」などポジティブな話をしがちなのですが、これは正解でしょうか? 子どものネガティブな気持ちを前向きにしよう、気持ちを切り替えようとする作戦ですよね。皆さんよく使うと思いますし、悪い方法ではないと思います。ただ、大人同士でも悩みを相談したとき、悩みそっちのけでポジティブな提案をされたら、「この人、私のこと何もわかっていない」と思っちゃいませんか? 子どもも同じです。逆に言うと、親が分かってくれないからこそ、毎日園に行きたくないと訴えるんです。 だから親御さんがお子さんの気持ちを受け止める勇気を持ちましょう。「うんそうだよね、行きたくないよね」って。でも「これ言っちゃうと行かなくていいって思われちゃうんじゃないか」って恐怖心で、多くの親御さんにとって、まさに禁断の一言になっているんじゃないでしょうか。 ――はい、まさに! 子どもの「行きたくない」を認めるのは正直怖いです。でも、その一言で子どもは納得して、心が落ち着くんですね。 はい。「なんで行きたくないの? なるほど、そういうことがあるからなんだね。わかるよ、その気持ち」って寄り添うことから始めてみてください。 そして、例えば「おもちゃを取られてしまう」と言っていたら、その話を子どもの前で先生に伝えるんです。すると、それを見ていたお子さんは、自分の思いは理解されていると感じるし、親が自分のために行動してくれていることに安心感を得ることができます。だから一歩踏み出せるようになるんです。そこは子どもにバレない形なら、パフォーマンスでも良いと思います。例えば「子どもを安心させるために、明日の朝こんな話をしますので」と園の先生に前もって伝えて、口裏を合わせておくとよりスムーズかもしれませんね。