ロッテ主砲が「ソト先生」と呼ばれる理由は? 38歳の荻野、エース小島まで「野球理論が本当にヤバい」「日本語が上手すぎる」“信者”が続々と…
マウンドの輪の中で…
交流戦ではこんなこともあった。雨が降りしきる神宮球場で行われた5月28日のスワローズ戦。3点リードの3回1死二塁の場面で打席に主砲の村上宗隆内野手を迎えた。ゲームの流れを左右する正念場。内野手がマウンドに集まった輪の中で、小島は一塁を守っていたソトに尋ねた。 「この場面、どうすればいいと思いますか?」 ソトは素直だった。 「ウ~ン。メッチャ、ムズカシイ。ワカラナイ」 予想外の回答に小島は笑いそうになってしまったという。しかし、これで力みが抜けた。「まあ、それはそうだよな。自分でなんとかしないといけないなあと思いました」
「先生と呼ばせてもらっています」
強気の投球を取り戻し、村上を見逃し三振に仕留めると後続も抑え、無失点で切り抜けた。結果的に今季4勝目を挙げ、頼りになる存在に感謝の言葉を口にした。 「本当に“ソト先生”の存在は大きいです。いつも敬意を込めて先生と呼ばせてもらっています。色々な事に気づかせてもらったりアドバイスをもらったりしています」 新天地でチームメートに頼られているソトだが、そんな“先生”にも日本での師匠がいる。来日した際にベイスターズの監督を務めていたアレックス・ラミレス氏だ。 アメリカでのマイナー時代、ソトは試合出場の機会を求めて色々なポジションに挑戦していた。スタートはショートだったが、外野にも挑戦し、試合に出ることができるならと捕手を務めたこともある。そんな時にエージェントを通じて「日本野球にチャレンジしないか」との提案があり、来日を決めた。
師匠・ラミレス前監督への思い
ベイスターズの指揮官が現役時代に通算2000安打を達成したラミレス氏だったことはソトにとって幸運だったといえる。日本の野球について色々なアドバイスを受けた。異国の地での成功を支えた恩師である。だから今でも親しみを込めてソトはラミレス氏を「ラミちゃん」と呼ぶ。 「ラミちゃんはデータが凄かった。よく言われたのはタイミングが大事だということ。アメリカと日本の投手のタイミングの違いを毎日のように教えてもらいました」とソトは懐かしそうに振り返る。現在、ホームランを打った後に行う「ゲッツ」のポーズはラミレス氏が現役時代にダンディ坂野の持ちネタを元に行っていたことにちなんでいる。今では仲のいい大下とベンチに戻ってから「ゲッツ」のポーズを決めるのが定番だ。 6月5日のジャイアンツ戦は偶然にもそのラミレス氏とダンディ坂野が試合前の始球式などのゲストとして訪れていた。恩師の前でソトは高めのストレートを振り抜き、ライトスタンドに消えていく6号先制3ランを放った。
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