50代後半で見つけた夏の楽しみは盆踊り。エッセイスト広瀬裕子さんの大人ならではの浴衣の着こなし
盆踊りのときの持ち物
話をもどしますね。 盆踊りの練習会は、週に1回。入ってからは、できるだけ通いました。こどもの頃に踊っていた東京音頭はすぐ踊れましたが、今の盆踊りは曲目も多く(毎年、新曲がでるのです!)、振りつけも意外とむずかしいのです。練習を地味につづけ、昨年の夏から盆踊り大会に参加するようになりました。 東京の夏は驚くほど暑く、夕方になっても気温が下がりません。うーん、と思いながら、浴衣の袖に手を通します。踊りやすいように、また、荷物を預けられないことを前提に、持ち物は最小限に。手ぬぐいとうちわは必需品。足元は、盆踊用の草履。準備が整う頃には、うーん、となっていた気持ちは、すっかり忘れています。 会場にいけば、同じように盆踊りをたのしみにしている人たちが大勢います。その、わくわく感は、ライブがはじまる前に近いでしょうか。友人や練習会のみなさん。昨年見かけた方。同じものがすきな人たちとの妙な連帯感。そして「さあ」という声とともに、輪ができ、踊りはじめます。 わたしが盆踊りに惹かれる理由を自分なりに考えてみました。 まず、年配の方たちがかっこいいこと。踊りの中心は、わたしより、10歳、20歳、上の方たちです。盆踊りだけなく、お神輿も、お囃子も、木遣も、歳上の方たちが、とにかくかっこいい。生き生きされているみなさんを目にすると、希望が持てます。あとは、音楽に合わせ踊るというシンプルなたのしさ。浴衣姿のうつくしさ。伝統。 でしょうか。 踊っていると、時々、不思議な気持ちになります。たのしかったこと、悲しかったことなど、様々な思いが湧きあがってくる瞬間があるのです。そういった感情を最終的に「たのしい」で包んでくれる。盆踊りには、そんな力があるように感じます。 盆踊りビギナーの昨年は、1ヶ月以上つづく盆踊りスケジュールのエネルギー配分がわからず、後半バテてしまいました。今年は、うまくスケジュール調整しながら参加する予定です。それに加え、シルバーヘアに似合う浴衣や着こなし、メイクも見つけたい。 夏は、まだまだ、つづきます。
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