【サッカー日本代表 板倉滉の「やるよ、俺は!」】第13回「すべてを受け入れ、前へ!」
■今の日本代表に必要なもの 森保監督の信頼に応えられなかったのも大変申し訳なかった。「不調の板倉を交代しなかったせい」と起用法が批判されてしまうのは心苦しかった。サポーターの皆さんが思う以上に、試合への反応は届いている。もちろん、今回のアジア杯についても。 自分を擁護してくれている声も届いている。とてもありがたいし、優しいなとも思う。でも「あのときの自分は本来の自分じゃない」なんて言い訳はしたくないし、日の丸を背負った以上してはいけない。「とことん叩いてくれ」とも思った。 あれだけ大事な大会で、いいパフォーマンスをできていなかったのは事実だから。あれが自分の現段階の実力だし、結局、ピッチに立って結果を出すのは監督ではなく選手だ。だからこそ、今後また招集を受けたときにはしっかり期待に応えたい。 アジア杯の反省を踏まえ、日本代表を俯瞰して見た場合、一番必要だったのは劣勢となった試合展開の中で熱量を上げる役割を誰が担うのかということ。 チームの雰囲気を変えられる、みんなを鼓舞して、闘争心をかき立てることができる〝精神的支柱〟......純粋に僕はそういった立ち位置でチームを支えたいし、担うべきだと思うし、任された場合に備えなければならない。 今まで皆、決して仲良しこよしの緩やかな雰囲気でやってきたつもりはないが、重要な大会でプレッシャーにのみ込まれないよう、練習の段階から緊張感を持った雰囲気もつくっていかなければならない。選手間でも、ダメなプレーはダメ、足りない部分は足りないと、もっと明確に言い合える環境をつくっていきたい。 「言いたいこと、思うことがあれば、どんどん話しにこい」 森保監督は常々言ってくれている。実際、森保監督は意見を取り入れてくれて、試合に反映されることも多い。せっかく監督がそうしてくれているわけだから、まずはプレーヤーである僕らが準備段階からもっとコミュニケーションを取っていかないと。 限られた代表招集期間の中で、いかに綿密なやりとりができるか。プレーひとつひとつに至るまで、しっかり連携を取ることが大事だ。 アジア杯で僕らは研究されまくった。ならば、次回からは僕らが挑戦者の意識で臨み、相手を今まで以上に研究し尽くす勢いで試合に取り組むしかない。