明治神宮大会出場、名城大野球部の史上初・薬学部生マネジャーが来季から学生Dに就任
青学大(東都大学)が史上5校目の大学4冠に輝き、25日に今年の明治神宮大会が幕を閉じた。 【写真】投手の球速を記入する名城大・吉田マネジャー 北陸・東海三連盟から2年ぶりに出場し、1949年(昭24)創部史上初の薬学部生で22年にマネジャーとして入部した名城大・吉田紗雪さん(4年=愛工大名電)が、5年生の来春から学生ディレクターに就任する。 「マネジャー業での経験を生かし、新たな視点でチームに貢献できるよう一生懸命努めます。部活動も学業も精いっぱい取り組み、やり切りたいです」。連盟関係者や安江均監督(64)から献身的なサポートが評価され、新たなポストが与えられた。 高校時代は、吹奏楽部で演奏を“やる側”だった。「自分がやる側から、サポート役を経験したい。でも、部活と両立できるか確かめたい」。1年生は多忙を極めながらも「+αで部活ができる」と2年生での入部を決意。新たに道を切り開いた。 今秋2季ぶり15度目の優勝を飾った強豪で現在、データを扱うスペシャリストで強みと弱み、それぞれを洗い出し、データの作成、出力や提示を行う。「1人1人の意識する部分は変わったと思う」。 一方、学業は年間3教科落とせば、留年という厳しさと隣り合わせ。「勉強は結構大変。科目数も課題も多く、隙間時間を大事に。宿題をためないように…。やっていても、理解できない時もあって、焦りもあります」。ただ、学業だけでは終わらない。「学校に行って部活までにバイト、バイトして練習場に行って…。苦しい日もありますが、やりきる達成感が大きい。部活をやって、よかったことしかないです。選手が壁にぶち当たっていても。乗り越えた瞬間に立ち会えるのが、すっごいうれしい」。 心の奥底で思う弱音もある。「同じ立場にいる人はいないなって」。将来目指す進路の1つに、超難関とされる麻薬取締捜査官の技官を志望する。薬学部卒業見込みかつ、薬剤師国家試験に合格後、採用試験を受験という至難の道。一足早く同期の4年生がバットを置く中、吉田さんは来年もチームの白星に貢献する。【中島麗】 ◆吉田紗雪(よしだ・さゆき)2003年(平15)2月15日生まれ、愛知県出身。全国随一の強豪吹奏楽部・愛工大名電でサックスを担当。現在も、リーグ戦の応援時に演奏を披露。得意教科が化学だったことから、薬剤師を志し名城大に入学。2歳下の妹紗穂さん(2年=愛工大名電)は立命大の硬式野球部アナライザー。