バカな上司をやり過ごすコツ【里崎智也×五十嵐亮太のライフハックベースボール!】第8回
■大切なのは複数の選択肢を持った生き方 里崎 でも難しいのは、前にも言ったけど、これはプロ野球の世界だから通じることであって、一般の会社組織には当てはまらないということなんですよね。会社の場合はやっぱり、上司に嫌われたら部署異動を命じられたり、転勤や出向を告げられたりする可能性があるわけでしょ? そうなると、人間関係というものもある程度は考慮しないといけなくなるのもわかる。 五十嵐 でしょ? サトさんみたいな強い人ばかりじゃないから、やっぱり「どうせ一緒にやるなら、みんなで協力し合ってやっていこうよ」という関係性が、僕は理想です。監督やコーチといい関係が築けないのに、自分だけ成績を残したとしても嬉しくない。甘いことを言ってるかもしれないけど、それが僕の本音ですね。 里崎 もし僕がサラリーマンだったら、さっきも言ったように「自分の能力がないのならば黙って従う」というスタンスを取りますね。もちろん、内心では「いつか絶対にコイツを追い抜いてやる」という意識を持ちながら。「地力をつけて、絶対に自分の好きなようにやってやる」という思いを原動力にするでしょうね。 五十嵐 まさに倍返しだよね。でも、僕だって理不尽な扱いを受けたり、あまりにも低い評価だったりしたら、サトさんの言う「辞めて、新しい世界で生きる」を選択しますよ。それがまったく別の業種なのか、同業他社への転職なのかはともかく、キッパリと辞めますね。「そう簡単に辞められるものじゃないんだよ......」という意見があることもわかっているけど、そんな環境下ならば無理して続ける必要はないと思います。 里崎 野球で「じゃあ、FAします」ってアッサリ言っていたように、僕もサラリーマンになっても、そのスタンスだと思いますね。でも、辞めないのならば、あるいは辞められないのならば我慢してでもやるしかない。 五十嵐 大切なのは、「常にいくつかの選択肢を持っておくこと」だと思うんです。「手持ちのカードがこれしかない」という状態だと、どうしても現状を我慢しながら耐え忍ぶしかなくなるけど、それは決して心身ともにいい状況じゃないから。 ――熱い議論、どうもありがとうございました。ちょうど時間となりました。今回はこの辺で。また次回も、白熱したトークバトルをお願いします。 里崎・五十嵐 了解です。ではまた次回も、よろしくお願いします! 構成/長谷川晶一 撮影/熊谷 貫