バカな上司をやり過ごすコツ【里崎智也×五十嵐亮太のライフハックベースボール!】第8回
■自分の意志を貫きつつ、人間関係も大切にしたい 里崎 そこは僕とは真逆。僕なら、納得できなければ絶対にやらないし、コーチの立場を考えることもない(笑)。 五十嵐 僕だって、何でもかんでも受け入れるわけじゃないけど、コーチの人には実績も経験もあるわけだし、「五十嵐のために」という思いだって当然あるはずだから、そこはまず受け入れる。でも、やってみた結果、納得できないようであれば「やっぱり、できそうにないです」とか「僕には合わない気がします」って、言い方に気をつけながら断ると思う。そういうことを言い合える関係性を作るのは苦手じゃないから。 里崎 現役時代に、ピッチャーから「もうちょっと小さく構えてほしい」って言われたことがあったんだけど、そのときに「選択肢は2つあるよ」って言ったことがありましたね。 五十嵐 サトさん、「選択肢」が好きだなぁ(笑)。で、その2つとは? 里崎 まずは、「1.言われた通りに小さく構えるけど、その代わりワンバウンドも止められないし、盗塁も刺せなくなる可能性が高くなるよ」と言って、もうひとつは「2.黙ってオレのやり方に従うか?」と。それで、「オレはどっちでもいいよ」って(笑)。 五十嵐 そこまで言われたら「2」にするしかないよ(笑)。でも、それが、最初にサトさんが言っていた、「自分がトップに立って、やりたいようにやる」っていうことなんでしょうね。まだ実績のないピッチャーとしては、サトさんの言った「自分の能力がないのならば黙って従う」ということになるからね。だけど、どうしても僕の場合は「人間関係も大事にしたい」って考えるタイプなんですよ。 里崎 結果が求められる世界において、やっぱり最優先にすべきは結果であって、少し人間関係に問題があっても、結果を残せるならばそれでもよくない? 五十嵐 うーん、それもそうなんだけど......。プロ野球選手の場合、何が大事かと言うと、「一にも、二にもケガをしないこと。で、三、四がなくて、五に人間関係」だと思っているんですよね。自分に絶対的な能力があって、「人間的にイヤなヤツだけど使わざるを得ない」って、確かに一匹狼的でカッコいいけど、やっばり人間関係はいいに越したことはないじゃないですか。 里崎 別に僕は悪くてもいいけどね(笑)。 五十嵐 まぁ、サトさんの場合はそれでもいいけど(笑)。